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介護の本書評「review-kaigo」

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第376回 認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌

じーじを笑顔にするために、認知症を正しく知った

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌
黒川 玲子 (著)

内容

アルツハイマー型認知症と診断された父を持つ筆者。多少介護や認知症に関する知識はあったものの、現実は知識で知っていたような甘さではなかった。そこで向き合い方を変えることで、介護自体を楽しむ、父が怒り狂うのを受け流すようになれたという。本書では、認知症や介護に関する基礎知識とともに、認知症の人への正しい接し方を紹介している。それが認知症の人の暮らしをも楽にすることができるのだ。

書評

たった3日間の入院で一気に認知症の症状が進んだ父を自宅で介護することにした筆者。怒りにまかせて怒鳴りつけるようになった父。多少介護の知識がある筆者は「認知症の人が言うことを否定してはいけない」とわかっているものの、ついつい「何しているの?」、「余計なことをしないで」と言ってしまう。そうするとさらにパワーアップして攻撃するようになったという。

ただ、ある行動がきっかけで「普通の父」が「「ちょっとおかしなじーじ」になることに気づく。その日から、筆者は「ちょっとおかしなじーじ」を認知星から来た「認知星人じーじ」だと思うことにしたという。

筆者は自らを「じーじを笑顔にする地球防衛軍」になり、認知星人じーじが仕掛けてくる数多くの難問を「地球防衛軍」に変身して解決するのだ。素晴らしい発想の転換と言えるだろう。そしてイラッとしたときは「SNSの良いネタができた」を考える。そうすることで、介護が少しずつ楽しくなってきたという。

本書を毎日介護に頑張る人々にとって「笑顔」の種となることを願う筆者の想いが、文章の端々から感じられた。

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