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介護の本書評「review-kaigo」

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第374回 家族みんなが「笑顔」になった介護の話

介護は進歩している!だから必ず解決策はある

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

家族みんなが「笑顔」になった介護の話
福島 真治 (著)

内容

国会議員秘書として全国を飛びまわっていた筆者が、ある日突然母が倒れて介護をすることになる。「介護離職」がにわかにその身に降りかかってきたのだ。その後、議員秘書の職を辞した筆者は、介護保険制度や介護施設のことについて真剣に調べ始めた。そのなかで身についた知識や「お年寄りを笑顔にする」ために一生懸命頑張る人々の熱い想いや取り組み、素晴らしい介護施設や介護サービスを本書では丁寧に紹介、解説している。

書評

高齢化社会が進む日本。とかく介護についてはネガティブなイメージが先行しがちだ。筆者は、国会議員の秘書を務めていた時代に、母が突然倒れて介護が必要になった経験、さらには秘書の職を辞すことになり、東京から大阪に戻るという経験をしている。

そして、母が要介護者になったことで介護保険制度や介護施設のことを真剣に調べるように。調べれば調べるほど、介護の大変さや業界が抱える問題など、暗い部分ばかりが目に入ってくるようになり、暗い気持ちになったという。

だがよくよく調べてみると、介護業界の中にも「お年寄りを元気に、笑顔にする」ために一生懸命頑張っている人や会社が存在することがわかってきた。「孤独死をなくしたい」「老老介護や介護離職で困っている人を助けたい」と真剣に訴え、行動を起こしている人とも出会うことができたという。そこで筆者はすべての人々がいずれ関わるであろう介護の問題に対して「介護紹介の発展に寄与したい」と考えて一般社団法人を設立。

さらに、介護を必要としている人々の気持ちになって仕事をしている素晴らしい介護業界人とも出会うことになる。実際に話を聞くと、本当に熱い想いが伝わってきた、と筆者。しかも、そうした会社の現場では、これまで筆者自身が聞いてきた哀しい介護現場とは全く異なる心温まるよい話もたくさんあることを知ったという。

自分自身を含め、多くの人が「介護」に抱いているであろうネガティブなイメージを少しでもポジティブなものに変えたいと本書の執筆を決意したという。本書には単なる施設やサービスの紹介本と考えるとそぐわない心がグッと厚くなる話しも随所に盛り込まれている。読めば介護に対する印象が少し変化するように感じた。

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