介護のコラムを読む

介護の本書評「review-kaigo」

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第347回 介護施設で本当にあったとても素敵な話

介護が生んだ、泣ける、笑えるエピソードが満載!

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

介護施設で本当にあったとても素敵な話
川村 隆枝(著)

内容

介護が他人事ではない時代。例えば親の面倒を施設に任せる場合、一抹の不安や、罪の意識を覚える人もいるだろう。しかし、介護施設が「本当は」どんな場所か知る人は少ない。それもそうだ、そこで過ごした若い人はほぼいないはずだから。イメージだけで判断している。本書では、そんな介護施設の真の姿が書かれている。

書評

本書を記した著者は元麻酔科医。介護が必要になった夫が亡くなった後、老人介護保険施設の施設長となった女性だ。自身の介護の経験、そして施設長としての経験、妻として、女性として、そして介護従事者として、さまざまな立場からの視点を生かしながら、介護施設の真の姿を記している。

残念ながら人の死は突然やってくる。いつそうなるかは「神のみぞ知る」なのだ。だから家族の死が訪れたとき、葬儀屋に言われるがまま、わけのわからないままに別れを告げていたりするのだ。生きている人にとって、死はそれほど非日常的なことであり、心構えなど何もしていないのが普通なのだ。

同様に家族の誰かが寝たきりになったり、要介護状態になることも、健康な人にとって非日常的なできごとでしかない。そのため、介護相談員やケースワーカーの手を借りることになる。その結果、「忙しさを理由に他人任せにした自分は正しかったのか?」と自問自答することになるのだ。

だが、今は高齢化社会。残った人は前に進むことを求められている。本書はその時のために、介護に関する知識を得ておく必要が出た時に役立ててほしいと記された。その想いは本書を読んでみれば、しっかりと感じることができるのではないだろうか。

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