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介護の本書評「review-kaigo」

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第333回 親が終活でしくじりまして

親が終活でしくじりまして

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

親が終活でしくじりまして
寝猫 (著)

内容

終活って何?がよくわかる、庁舎のリアル体験を描いた感動&爆笑コミックエッセイ。このコミックエッセイの依頼を受けたタイミングで実母が突然亡くなってしまう事態に。そこから始まった「終活」にまつわる大騒動がコミックエッセイ形式で描かれている。

書評

数年前から「終活」という言葉を聞くようになり、新語・流行語大賞にノミネートされるような機会もあった。耳にする機会は増えたが、果たしてどれだけの人が終活を意識し、取り組んだだろうか。「まだ関係ない」、「庶民とは無縁の話」、「ピンとこない」という人が圧倒的に多いのではないだろうか。筆者もまったく終活をしていなかった母の死をきっかけに、終活など考えたこともなかった父とともに、突然降ってわいた葬式やお墓、お金の問題に東奔西走することになった。

「終活」とは、もし自分が死んでしまったら、何が起こるかを考えてみることであり、それがスタートラインになるという。実際に人がひとり亡くなると、残された家族をはじめとする人たちは、葬儀の手続きやお墓の購入や相続の手続きなど、さまざまな手続きや段取りに忙殺される。皆日常生活を送りながらの対応で、実際にはかなり大きな負担となることも少なくない。そうした負担を少しでも和らげるのが「終活」なのだ。

本書にもあるが、人は突然簡単に亡くなってしまうモノだということを頭に入れておくべきだ。突然の死に、残された人は故人の意識を少しでも尊重しようとするあまり無用な負担を受け入れたり、不必要な出費に無理矢理納得しなければならないことも少なくない。実際は、生前に「エンディングノート」をしっかり書いておくだけで、残された人に無用な配慮や負担を軽減することができるのだから。

まだご両親が生きている子どもたちは、ぜひ一度読んでみることをオススメする。言葉を知っているだけでも不安感は減らせるし、作業の負担も格段に軽減できるだろう。

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