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介護の本書評「review-kaigo」

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第257回 人生を破滅に導く介護破産

介護で経済的に困窮する世代が激増!?

人生を破滅に導く「介護破産」
杢野暉尚

内容

介護破産に最もなりやすいのは、「どこにでもいる家族」だという。国の高齢者切り捨て政策はまさに待ったなしだというのだ。本書では、介護の悲惨な実態と破産を回避する方法を50のさまざまな高齢者福祉施設を運営する社会福祉法人理事が語る。

書評

介護が原因となって、親のみならず子の世帯までが貧困化し、やがて生活が立ち行かなくなる「介護破産」はもはや社会問題のひとつにまでなっている。日本はすでに4人に1人が56歳以上という世界でも類を見ない超高齢会社会になっている。それに伴って要介護者も増えている。高齢者の介護は、もはや他人事では済まされないのだ。

高齢の親や配偶者を持つ人の多くは、いずれ家族の介護を経験することになる。肉体的にも精神的にも大きな負担となるだろう。そこで、介護する家族の負担軽減を目的として介護保険制度が適用されるサービスや施設の整備が進められている。しかしながら、無制限には利用できず、サイービスを多用するほど自己負担額が増える。施設に入所し用としても、入所自体に多額の費用が掛かるのが現実だ。

そうした中で、離職して自宅で介護をしようとする人も増えている。だが、その中には離職する必要もないのに離職したりして経済的困窮や破産に至ってしまうケースが後を絶たない。

本書では、そんな人を少しでも減らしていくために。筆者が介護業界で経験したことをもとに、介護破産を防ぐための正しい情報を提供している。例えば、介護破産の実態、介護サービスの基礎知識、要介護者や家族の条件に合ったサービスや施設を選ぶポイントなどを具体例を示しながら呈示してくれる。世界第3位のGDPを誇る国が介護で破産する……そんなことはあってはならないし、そうならない方法が本書には示されている。

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