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介護の本書評「review-kaigo」

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第8回 介護タブー集

ゴカイされたままのカイゴでは、問題は解消しないのだ。

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介護タブー集 (介護ライブラリー)
三好 春樹

内容

介護の時代なのに、カイゴのゴカイは深刻だ、と筆者。介護は大変で、社会的に必要な仕事だと思われている。だが、誰でもできる仕事だと思われているのも事実。実際はマンパワーとお金を確保しても、誤解された介護では問題は解消しない。そんな今の時代に、誤解されたままの「介護のタブー」を示すことで、本来の介護を提示していこうというのが本書だ。

書評

介護保険制度により、財源とマンパワーは確保された。しかし、寝たきりや痴呆は増え続け、介護保険の本来の目的であった在宅ケアは壊滅状態という現実。この現実は、カイゴのゴカイによって生まれたものだ、と筆者。

「安静にして明日もう少し良くなったら」「リハビリして元気になったら」という医学的な考えは、介護には通用しない。今日できない事は、明日はもっと難しくなるのが介護なのだ。
介護とは老人が生活するための「考える杖」になること。本書では、痴呆老人に「○○はダメ!」とタブーを設定するのではなく、介護者にタブーを警告することで、本来の介護のあり方を提示してくれている。それは、明日のためではなく、今のために。体を治療するのではなく、人生を楽しく過ごすために。

そして、介護者は、その老人にとって「考える杖」であるために。

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