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介護日記・二人の父の雑記帳

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第46回 老健「介護老人保健施設」とは?(2006年8月30日)

「老健」の「3カ月判定見直し」についてご質問頂きましたので、こちらで詳しく書いてみました。

老健施設は生涯いられる特養(特別養護老人ホーム)と異なり、在宅生活復帰をめざす一種のリハビリ施設なので、入所期間は通常3カ月期限です。
3カ月ごとに施設側で在宅復帰できるかどうかの判定が行われ、イズさんの場合は入所中2度の緊急入院があったので入所が継続され、
かれこれ1年間今の老健にいさせてもらえました。

老健の場合、入院になったとき、一旦退所しなければならず(荷物も持ち帰らねばならない)、退院後、再入所したい場合は再び入所手続きを取らねばならないことが大変不便です。
しかし、入所待機期間が比較的短く済むので、入所施設としては助かる存在です。
特養は入院しても、よほど長期間にならなければ部屋もそのままで退居せずに済みます。

以上、「イズさんの今後」より抜粋。

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上記のように「特養=介護老人福祉施設」は「老人福祉法」に基き、生涯いられる施設で、生活全般についての介護サービス提供があります。
「老健」は「介護保険法」に基き一時的に入るリハビリ施設なので、3カ月ごとをメドに体の状態の判定が行われるわけなのです。
状態が回復しておらず、まだ施設サービスを受ける必要があるとみなされた人は、更新され引き続き3カ月入所できる仕組みです。
老健は特養のように生活全般の介助が目的ではないので、洗濯などは施設がせず家族に任せる施設が多いです。

老健利用のよくある例として、脳梗塞で入院し、ある程度退院できるまでに体が回復し、しかしマヒなどが有るためリハビリの必要があって、すぐに在宅生活に戻るには困難な方が、退院後回復までの期間過ごすことに利用されたりします。

この機会に「老健」についてネットで調べてみましたが、「3カ月ごとの判定」の記述があるものはほとんどありませんでした。
行政などのパンフレットにもこのことは書かれてなかったと思います。
私も父の施設入所を考える以前は「特養」と「老健」の違いなどよくわかりませんでした。
3カ月ごとのこともその頃ケアマネさんから初めて聞きました。
見た目はどちらも変わりはありませんから、
行政側の書面でいろいろ書かれていてもよくわからなくて当たり前だと思いました。

昨年96歳で亡くなった祖母(亡くなった私の母の実母)は、寝たきりで老健に3年ぐらい入所していました。
祖母のような回復の見込みがない超高齢者などは、3カ月の見直し更新の継続で長期に渡っていられることもあります。
特養の申し込みはしてあったそうですが、順番待ちで番が回って来なかったそうです。

特養は何年も順番待ちをしなくてはなりません。
入居者がお亡くなりになるか長期入院にならないと退去されないからです。
また、入りたい時にすぐ入れないので、早めに念のため申し込みをするケースなども多いからです。

老健は3カ月更新の制度があるため、入所者の入れ替わりが特養に比べて多いので、数ヶ月待つ程度で入所の順番が回って来るので入りやすい施設と言えます。
特養に入れるまでの待機施設として利用する方も多いです。

私は意識的に、特養のことは「入居」、老健のとは「入所」と区別して書いています。
(ときどき書き間違えますが)

[参照]
>社団法人全国老人保健施設協会 「介護保険施設」
>イズさんの今後

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