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介護の本書評「review-kaigo」

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第380回 認知症 キャラクター分類でよくわかる

患者さんを分類することでより理解する

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

認知症 キャラクター分類でよくわかる
山口 博 (著)

内容

認知症の人々の看護や介護を仕事とする人に向けて作られた一冊。認知症とは?から始まり、認知症の分類、認知症の診断、認知症に対する託物療法、そして認知症患者さんに対する接し方、と5つのパートから認知症患者の皆さんへの介護や看護の方法を学ぶことができる。

書評

認知症患者が、「私は認知症なのだから、他の人に嫌な思いをさせたり、迷惑を掛けないように気をつけないと」と考えて、その通りに生活することができたら、その人は間違いなく認知症ではない。認知症だから暴言も吐くし、暴力を振るうこともあるのだ。日本が超高齢化に突入して10年以上が経過するが、筆者はまだ認知症に対する理解は進んでいないと記している。

筆者自身が認知症の患者や家族に適切なアドバイスができているのかというと、筆者自身自信を持ってイエスとは言い切れないという。なぜなら認知症患者は一人ひとりの個人差が大きく、よかれと思って工夫したりカスタマイズした対応が、裏目に出ることも少なくないからだという。認知症患者の対応が自然で上手な人もいるが、上手とは言えない人の方が、医療関係者を含めても大半を占める。そうした人たちは、認知症患者の脳の働きを理解し、患者の立場になってその人が感じていることや考えていることを推測し、工夫しながら対応していくしかないという。

本書では、パート1で認知症患者の症状やその症状が出る仕組みを解説、パート2で四大認知症をはじめとした認知症疾患を分類、特徴を解説している。パート3と4で、診断法や薬物療法の解説を行い、パート5で実際の症状に対する対処法のヒントがまとめられている。

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