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介護の本書評「review-kaigo」

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第379回 明るく、強く、認知症とともに生きる

自分や家族が安心して暮らすために

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

明るく、強く、認知症とともに生きる
中央公論新社 (編集)

内容

著名人の介護手記や介護をテーマとした対談、インタビュー記事など、認知症を身近に、そして本人や家族が安心安全にイキイキと暮らしていくためのヒントがまとめられている。蛭子能収さんをはじめとする認知症当事者のインタビューは貴重な言葉が並ぶ。

書評

認知症患者は2025年に700万人を超えるといわれている。認知症の前段階でもある軽度認知障害(MCI)を含めると、65歳以上の3人に1人は認知症になると予測されており、今後は病とともに生きることが日常生活の一部となっていくだろう。

「誰もがそうなる可能性がある」と思っていても、実際に自分や家族が認知症になったら……というところまで考えが至らないのは当然のことと言える。そんな時にも慌てず冷静に対処するには、事前に「自分ごと」として病気との付き合い方を考えておくことが必要となる。

本書では、支えられる立場になった認知当事者になったり、認知症の人を支える立場になった家族となった時に、実際に活用できる備えやケアの情報を集めてくれている。また、介護当事者のリアルな声はもちろんのこと、介護経験者の声もまた貴重な情報として掲載されている。

また、認知症を予防するための考え方や食事法、運動法など、最新の予防法も掲載。脳を活性化させる「脳トレ」なんかもある。自分や家族が、認知症という病と向き合いながら安心して暮らしていくために、本書を役立ててみてはいかがだろうか。

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