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介護の本書評「review-kaigo」

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第364回 パッと笑顔になる言葉かけ

言葉かけひとつで、お年寄りが笑い、介護が楽になる!

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

パッと笑顔になる言葉かけ
右馬埜 節子 (著)

内容

認知症の人は、自分が見ている現実と一致しない反応が周囲から返ってくると、「否定された」と感じて混乱するそうだ。結果、周囲と噛みあわなかったり、衝突する機会が増えることになる。これが認知症の人の不安材料となるのだ。認知症の人はいつも不安材料のせいで混乱しやすくなっている。この不安材料を取り除けば、介護はうまくいくのだ。本人も介護者も、みんなが笑顔で明るく過ごせる日々。本書では、そんな言葉かけや接し方を紹介している。

書評

認知症の人自身の困りごとを解決し、家族の悩みを解決する最も良い方法は、「不安材料」を「安心材料」に変えること。ではどうやって不安を安心に変えるのだろうか。

そのひとつの方法が『不安を忘れるぐらい嬉しくなる言葉をかける』というもの。言葉で喜んでもらえれば、すべてが丸く収まるという。本書で扱われているのはそんな「認知症の人が嬉しくなる言葉」のかけ方。

「自分にできることがある」「頼られている」と感じてもらえる声かけや接し方をすれば良いのだ。本書では、それらを整理して「役割感」「特別感」「肯定感」の3つを「感どころ」として紹介している。

「喜ばせる言葉が見つけられない」という方のために、筆者おすすめの「引き算」の考え方も紹介されている。これは正しい価値観はいったん横に置いておいて、認知症の人の現実に合わせた接し方をすること。うまく「引き算」することができれば、認知症の人に掛ける言葉の数がグッと増えるという。

特に本書で伝えられているのが、「明るさの輪がみんなに広がる」ような声かけや接し方の技術。認知症の人が喜べば、周囲の人も嬉しくなり、毎日の生活が今まで以上に快適になるという。それは明るさの輪がどんどん広がっているからなのだ。

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