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介護の本書評「review-kaigo」

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第339回 高齢者の「もしも」一覧表

突然やってくる介護の「もしも」に備える

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

高齢者の「もしも」一覧表
赤池広行 (著)

内容

本書は高齢者本人はもちろんのこと、高齢化社会の中で誰もが知っておくべき一覧表を紹介するというコンセプトで誕生した。元気なうちにやっておくべきことなど、元気なうちに把握しておかないと、もしもの時にアタフタすることばかり。あなたと家族を守る介護に関する「もしも」への備えが、この一冊に集約されている。

書評

2024年には、3人に1人が高齢者になる日本。自分を年寄りと思うか、まだ若いと思うかは、それぞれの人の気持ちの持ちようなのも事実だ。

本書は「高齢者を抱えた子ども世代に読んでもらう」ことを想定して書かれている。実は今回は改訂版。初版が出版された時は大きな反響があったという。「どの世代が読んでも役に立つ高齢者本」というコンセプトが響いたとすれば、それだけ介護という言葉が多くの世代に注目され、自分ごととして考える時代になってきているのかもしれない。

今回の改定版では新型コロナウイルス感染も含めるなど最新の社会情勢に配慮するほか、「もしも」の事態に備えて用意しておくべきコト、考えておくべきことを中心に、救急、入院、リハビリから介護、保険、相続や遺言、葬儀まで高齢者と子どもや孫世代が直面する事態について、網羅的にまとめられている。

近年は「老老介護」が話題となって社会問題にまで発展しているが、間もなく時代は「認認介護」の時代が到来するという。これは介護する側もされる側も「認知症」という非常に厳しい時代を示すキーワードとなっている。しかしながら、時代を作るのは一人ひとりの取り組みから。元気なうちにやりたいことにチャレンジする、真摯に家族と向き合うといった「新しい生き方」を全うできれば、新しい時代も必ずや良きものになっていくだろう

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