介護難民200万人!2014年、国は団塊世代を見殺しにする?
内容
日本最大の介護サービス企業の不祥事、コムスン事件で発覚した介護業界の暗闇。介護保険制度は本当に信用できる制度なのか? 2000年から始まった介護保険制度は本当に老後を豊かにしてくれるのか? 本書では、介護現場の真の実態を詳細にレポートしている。
書評
日本の福祉制度は、政治家の不祥事や人気取りなど、政局の都合で何度も方向転換を余儀なくされてきた。介護保険制度が開始されて以来、家族が犠牲になりながら介護を行う「介護地獄」は減ってきたが、老父母を殺害したり、無理心中などを図ったりする「介護放棄」は、逆に目立って増えていると筆者は語る。
さらには、コムスンのように実際に介護を行う介護事業者が不祥事を起こすようになり、介護の現場を支える職員やヘルパーはモチベーションが下がり、現在では「介護離職」が大きな問題になっている。
本書では、そんな現在の介護の実態を詳細に紹介されている。本書をきっかけに、これから介護される人もする人も、各人が今後どうするべきか、さらには国の介護政策はどうあるべきかをじっくりと考えるきっかけになることを筆者は願っている。