いざという時あわてないために…。
高齢者ケアにおける症状別緊急対応ガイドブック
高齢者ロングタームケア研究会
内容
30年以上、高齢患者専門の急性期病院に勤務した経験を持つ筆者が、高齢者に起こりやすく、注意が必要な症状、さらにはその事態が起こった時の本人や周囲の対応やケアの方法を解説。さらには「救急車を呼ぶべきか」「病院に行くべきか」といった判断の参考にもなる一冊。
書評
30年以上もの間、高齢者医療に携わってきた筆者には救急外来を利用する高齢者の様子や、病気の内容が変わってきたという。体力が低下し、複数の病気を抱えた高齢患者が増加し、さらにそれらの患者の多くが高齢者夫婦のみの世帯か、一人暮らしで生活している人がほとんどだというのだ。
それは日頃から相談する相手がおらず、救急外来に来るしか選択肢がない高齢者が多くなったということだろう。救急患者=事故や事件に巻き込まれた人が大多数だったのだが、いまや救急病院は高齢者の駆け込み寺になりつつあるようだ。本書では、在宅高齢者に見られやすい病気の初期症状を示し、初期症状から想定される病気とその後の対応策をフローチャート形式で提示している。
また、高齢者によくある合併症や再発しやすい病気や症状、さらに救急車を呼ぶときの注意点や対応方法などもイラストで分かりやすく説明されている。高齢者と暮らす方にとっては、備えておいて損はない一冊。