介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

戻る

第257回 父の新盆(2007年7月12日)

父タクさんが亡くなって早8カ月が過ぎ、新盆を迎えます。
昨年の夏からこの1年間は本当に慌しい日々で、時の流れが早過ぎるようです。
私の家には仏壇はありません。
父が私の弟(父の長男で独身)と住んでいたマンションに、父が買った仏壇があり、そこに父の位牌も入っています。
父の新盆は、そのマンションにお坊さんをお呼びして拝んで頂くことになりました。
地方では8月のお盆を本格的にするのでしょうが、東京では7月なので、その通例に合わせました。

父をマンションに呼び寄せ、私が通い介護をして10年。
父が特養に入居し、このマンションを出て3年。
父がいなくなって私が通わなくなり、弟だけの生活になって、父のマンションはすっかり荒れ果ててしまいました。
とてもお坊さんを呼べるような状態ではないのですが、恥ずかしながら来て頂きます。
父が買った自慢の仏壇。
でも、今その仏壇がある家は、仏壇に相応しくない荒れた家で情けないです。
弟には、きちんとするように言っているのですが、全くダメで、ゴミ屋敷のようです。
父はきちんとしている人なのですが、弟は前の家でもそうだったので、こうなることはわかっていました。
私が通い介護をすれば、家が荒れ果てないで済むという考えもあったので通い介護をしたのです。

お盆の道具類も、父が母の新盆の時に買った自慢のもの。
父が25年前に「これ、いいだろう!!」と得意気に言っていましたが、「そんなにするの?そのちょうちん。そんなに見えないよ~」と、冷たく言った私。
あの時、褒めてあげれば良かったな~。
あの頃、若かった私は仏事のことには無関心でしたが、父が若くして亡くなった母のために何かと動いていたことはよく覚えていました。
父が母にしたと同等なことを、父のためにしてあげなければ…。
弟ができなければ私がするしかない。
父が亡くなる前から、そう考えていて、父の志を何とか受け継いでいます。

親ケア.comオンラインサービス「繋がる」
おやろぐ