介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第255回 散歩の思い出【認知症中期】(2007年7月7日)

父タクさんとの散歩の思い出は色々あります。
認知症中期、デイがない日で天気が良いと午後近くを散歩しました。
基本的に外出好きの父なので、突然散歩に行こうと誘っても断る事はまずありません。
「いいね~行こう!行こう!」と二つ返事でした。
散歩に出るととても機嫌が良く、逆に家の中で機嫌が悪い時でも、外に連れ出すとご機嫌良くなりました。
この頃は健脚で、1時間半程度の散歩をすることが多かったです。
「あれは何だ?」と遠くに見えるものをたずねます。
大体は花や木だったり、看板や建物だったり…。
聞いてもすぐ名前は忘れてしまうのですが、何なのかよく聞いてきました。

父と歩いた父の家の周辺の住宅街…懐かしいです。
でも、家々の表札を声に出して読むのには参りました。
まだ文字が読めるという証拠ですね。
表札にも関心があるという証拠です。
犬好きの父ですので、犬がいると「おい!ワン公!!」と必ず声を掛けました。
父が家の中で不機嫌だったある日、家の中にいてもどうしようもないので、散歩へ連れ出しました。
雨が降りそうな日で、案の定途中から雨が降り出し、一つの傘に二人で入って歩きました。
雨の時は安全のため、私が大きめの傘を持って、いつも一つの傘に二人で入りました。
この雨になった散歩の日は、父も途中から歩くのを嫌になり、グスグス文句を言い出しました。
そのため少し先の地域センターにある喫茶室に入ることにしました。
「あそこに喫茶店があるから、そこまで頑張って歩こうね!!」と。

ボランティアさんが運営している喫茶室に入り、不機嫌さも吹っ飛び、帰路につくことができました。
父は喫茶店が大好き。
母が生きていた頃も母と二人で外出する時には、必ず喫茶店に入りパイプタバコを吸っていたようでした。
新宿の談話室「滝沢」がお気に入りでした。
この歴史ある店も、時代の流れで昨年辺り閉店したことが新聞に載っていました。

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