介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

戻る

第217回 頑張っておられるご家族(2007年3月23日)

今日、久しぶりに父がいた特養のユニットへ行きました。
懐かしい職員さんや入居者の方々…。
壁に飾った入居者の皆さんのスナップ写真の中に父の写真がまだあって、笑顔のとても良い写真だったので持ち帰って来ました。
今、それを見ながら書いています。
父と同じユニットの方で父より少しお若いSさん(男性81歳)の方の奥様が来ておられ、今日はその方としばらく色々お話をしました。
この特養のデイ家族会の頃から存じ上げている奥様です。
今日はその方のお話です。

父がいた頃はお元気そうに見えたSさんでしたが、父が亡くなってから、Sさんは何度も誤嚥性肺炎で入退院を繰り返されたそうです。
点滴を抜いてしまうので、点滴の時間はベッドで腕などを拘束されていたそうです。
食事の時間以外は殆どベッドで拘束されていたので、退院後は自力でほとんど歩けなくなってしまったそうで、今はほとんど車椅子生活のようです。
誤嚥を起こすので、入院中はご家族が交代で三食とも食事介助に通われたそうです。
現在も特養に昼食とおやつの時間の食事介助に毎日通われているそうで、奥様は午後の時間はずっと特養で付き添っていらっしゃるそうです。
慌てて食べなければ、誤嚥を起こさないまでに回復なさったそうですが、一時は食べられなくなって、背がおありの方ですが、体重が30キロ台にまで落ちたそうです。
食後は車椅子を押してフロア内を散歩させておられるそうで、奥様は毎日のことなので足が痛くなったとおっしゃっていました。
今も午後になると熱が出るので目が離せないそうです。
話もめったにされなくなったけれど、最近また小さい声でなら、少し話をされるようになったそうです。
丁度、昼食の時間だったのでおしゃべりしながら拝見していると、ご自分で普通食を黙々とゆっくり召し上がっておられました。
人に何かやってもらうのが嫌いだそうで、爪切り、散髪、髭剃り、鼻毛切りなど全部拒否されるので困るそうです。
歯も早い段階に総入れ歯になっていればかえって良かったけれど、残っていた歯は治療できずにボロボロになってしまわれたそうです。

父の場合もそうでしたが、認知症が進んだ先は健康のこと、医療のことが大きなウエイトを占めてくるようです。
特養に入られてからも、こうしてご家族が頑張っておられる方がまだまだいらっしゃるんですね~。
私は日中アルバイトがあったせいもあり、この奥様のように毎日半日を特養に詰める程、父に関わってあげられませんでした。
ご家族の皆が皆、そこまで関われるご家庭ばかりではありませんが、よく頑張っておられるな~と感心しました。
そして、何か力を頂いたような気がしました。
末永く、ご夫婦共にお健やかに、お幸せに…と思いました。
色々な形のご家族があることを改めて知った日でした。

親ケア.comオンラインサービス「繋がる」
おやろぐ