介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第213回 お年寄り事情も世につれ(2007年3月18日)

昨日、イズさんの親戚の○山さんからお電話がありました。
いつもは私と話す○山さんですが、たまたま夫が出て長話になりました。
受話器から○山さんの声が漏れていてよく聞こえました。
夫も話の内容を詳しく説明してくれました。
それによると、最近のお年寄り事情が随分変わってきていることがわかりました。
○山さんは90歳のおばあちゃんですが、おばちゃんと言うのは失礼なほどシャンとなさった方です。
民生委員を長く勤められ、昔は職業婦人だったそうで、近くに住んでいたイズさんを気遣って、今でも定期的に我が家へお電話を下さる方です。
息子さんご一家と同居。
頭の回転は良く、口も達者、ただ足腰が弱ってきて、最近は外出が難しく、したいことができないようです。
イズさんもこの方のことをいつも気に掛けています。
今回の○山さんのお話とは…(いつもの○山さんの調子で再現します)。

あら、そうですか、それは良かったわねぇ。
そのホームはおいくらぐらいかかるの?
あら、それはお安くていいわねぇ。
入所金がかからないのはいいわねぇ。
あら、そうなの?インターネットでみつけたの?
私達、と言っても同年齢の方はもう誰もいらっしゃらないので、お若い方と(70歳代)と話すんですが、いつも老人ホームの話になるのよ~。
どこにできた、あそこにできたと。
でも、入所金が1000万もかかったりするんだってねぇ。
そう、それはいいとこ見つけたわねぇ。
そのホームはどんな会社なの?
あらそうですか、それはいいわねぇ。
そう、ワンルームなの?じゃあ、狭いでしょう?
あら、お部屋に冷蔵庫も置けるの?
それはいいわねぇ、ちょっとした食べる物入れて置けますねぇ。
あら、それなら狭くなくて丁度いいわねぇ。
あら、お風呂も部屋にあるの?
じゃあ、シャワーが使いたい時、自分で使えるのね。
それはいいわねぇ。
お金出せば洗濯もしてもらえるのね、あら、それはいいわねぇ。
あそこは(イズさんのホームがある方面)、昔よく行ったところだから、知っているのよ~。
そう、それは良かったわねぇ。
あら、老人ホームは男性の方が大勢入っているのかと思いましたのよ。
一人暮らしのおじいさんが入る所だとばっかり。
あら、女性の方が多いの?あら、そうなの?!
私なんて、足が弱くなっちゃったから、2階にももう上がらないのよ~。
庭に出るのも転んだら怖いから出ないの。
お友達が大腿骨骨折で2カ月も入院してたのよ。
転ぶのだけは怖いからねぇ。
なかなか外に出られなくなってしまいましたの。
そう、えすえさんが一週間に一度は通っていらっしゃるのねぇ。
電車に乗って通ってるの?それは大変だけどいいわねぇ。
毎日顔合わせているより、一週間に一遍ぐらいが丁度いいわよねぇ。
お話相手がたくさんいらっしゃるんでしょ?イズさんも良かったわよねぇ。
えすえさんのお父様がお亡くなりになって大変でしたが、お幾つでらしたの?
あら、そう、イズさんと同じくらいだわねぇ。
イズさんは、お幾つになられたの?
あら、そうですか。85歳?そんなにおなりになったの?!
いつのまにか早いものですねぇ。
私も90歳ですから…。

○山さんは、今までも電話でイズさんのホームの様子を結構詳しく聞きたがっておられました。
○山さんのような方こそ、バリアフリーで同年代が大勢いる有料老人ホームに入られると、今より楽しく生活できるような方です。
ぜひ、イズさんと同じホームへどうぞ!とお薦めしたいくらいです。
最近の○山さんも、お友達との情報交換で、昔とは変わってきた老人ホームをご存知で、家族に余計な気を使わせずに済む、ホームに入りたいご様子です。
でも、ご自分から入りたいと言うのは、ちょっと言い出し難いご様子。
ご家族としては、ご本人から入りたいと言われれば、嫌とは言わず…だと思われます。
世の中の様子を察知して、情報通で前向きなお年寄りも増えてきました。
ご自分から入りたいと、なかなか言い出せない○山さんのようなケースもあります。
お年寄り事情も少しずつ変わってきました。

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