介護日記・二人の父の雑記帳 第201回〜

【第202回】困った時の神頼み「施設」(2007年3月3日)

父タクさんは長い認知症在宅生活の末、最終的に特養(特別養護老人ホーム)を生活の場として選びました。
特養が最後の場として最初から決めていた訳ではありません。
できるだけ最後まで在宅で看ようと思っていました。
しかし、長い介護生活で状況が変わり、結果的に特養入居という形になりました。
以前にも書いたことと重複しますが、再び書きます。

特養に入所申し込みをした時期は、まだまだ父が全然大丈夫な状態の頃、ケアマネさんに勧められ申し込みをしたのです。
早めに申し込んで、我が家の場合は結果的にそれが良かったようです。
父の認知症の進行は大変ゆっくりでした。
認知症が進行して特養に入居となる頃の状況も、父自身としては体は自由に動き元気で在宅も十分可能な状態だったと言えました。
父の場合、なぜ特養を最終的な介護の場として選んだのかと言うと、それは介護者の状態に限界があったからです。

父は私の弟(父の長男)との二人暮し。
私はその父のところへ自転車で通い介護。
いわゆる問題行動というものが表れてから介護サービスを利用し始め、父の場合は主にデイとショートの利用で父にとっては良い状態で生活することができました。
しかし、父と同居の弟は元々精神的に弱いタイプで、しかも病気や怪我をよくする人でした。
弟が父と時間を共にする夜間と早朝だけでも、仕事などの疲れが重なり、相当なストレスとなっていました。
一方、私はというと、風邪もあまり引かず持病もなく(しいて言えば偏頭痛持ち)元々元気なタイプ。
精神面でも弟より強く、10年通い介護をしても、何とかなっていました。
しかし、私がもし倒れたら、弟が仕事を休んで父を看なければならない。
家族が何人かいる生活の中での介護と違い、介護の手が余分にある状況ではありませんでした。
私が元気で多少の余裕があっても、父と同居の弟がいて成り立っていた通い介護でした。
弟の心身の状態が悪く、通い介護の限界が見えて来たときと、父の特養入居の順番が回ってきた時期がほぼ一致したのです。
特養入居の順番が来る1年位前から、弟の心身も疲れ果てていたので、特養の順番が来るまで他にしのげる方法として、グループホームを選び短期間父に入居してもらいました。

父にとって、当時、本来ならデイの利用だけでも十分だったのですが、介護者の休息のため、ショートの利用を始めました。
そして、父の状態よりも介護者の状態のことなどから、グループホーム、特養と介護される場を移してきました。
父のことを最もよくわかり、私でなければできない介護の部分がありました。
他者の手に父を委ねることに当然不安もありました。
しかし、協力介護者の片割れが限界では仕方ありません。
認知症本人のことを考えて介護することが最も重要だと思います。
しかし、状況によっては、我が家のように最初に考えていたようには行かなくなることもあるのです。
グループホーム入居、そして特養と、介護の場を変え、中心となる介護者も介護職の方になりました。

でも、私はできるだけ今まで通りの父でいて欲しかったし、他者にはできない自分なりの父との接触を持ちたかった。
施設介護で足りない部分を補うことをしたかった。
そうすることで、少しでも父に良い状態でいて欲しかった。
そういうわけで、グループホームも特養も、我が家から近く行きやすい場所の施設を選び、頻繁に通い父の面倒を看ることにしました。
特養に入ってからも、排泄介助をしたり、家族ができることを色々やってきました。
在宅で悩んでおられる方、在宅で無理だと思われている方、施設に預けたらそれで終わるのではなく、施設に通って面倒を看る方法もあるのです。
父の特養でも、ご家族が頻繁に通われて、在宅時代よりご本人が良い状態になられた方もおられます。
また、父の特養に関しては、寝たきりのような重篤な状態の方もおられましたが、体がよく動き、認知症の状態も父ほど進んでいない方も大勢おられました。
きっと、それぞれのご家庭の事情があるのでしょう。

施設を選択するには、前にも書きましたが、思い立った時すぐに入れるわけではありません。
父の場合は、あまり考えずに早めに申し込んだことが後に幸いしました。
先々のことを考え選択肢を確保した上で介護することは、介護者の気持ちの余裕にも繋がります。
施設が最終的なものとは言えません。
施設が良いとも悪いとも言えません。
ご家庭の事情やご本人の状態により様々でしょう。
しかし、困った時、そういう手段があることも、具体的に考えておくことは必要だと思います。
次回は、「特養に早く入居するコツ」について書きたいと思います。

【第203回】特養に早く入居するコツ(2007年3月4日)については、こちらへ。

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