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介護日記・二人の父の雑記帳

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第186回 昭和の良き日を思わせるタクさん語録 その2【認知症中期】 (2007年2月12日)

昭和30~40年代(昭和の良き日)に由来するタクさん語録の続きです。

◆カッペ
これは誰が言っていた流行語とは決められない言葉だったと思います。
東京ぼん太辺りが使っていたかな?
この時期、「カッペみたい」と言うように、世間一般によく使われてました。
言わずと知れた「いなかっぺ」の省略形ですね。
しかし、もう20年以上前からほとんど使われなくなった死語に等しいでしょう。
それが、認知症中期の頃、やはりデイによく通っていた頃、今から4年位前、1度だけタクさんが言っていたので印象に残っています。
父自身滅多に使わない言葉だったのに、あの時代の言葉として覚えていて、認知症中期になっても使ったのだな~と、妙に感動しました。

◆ドリフの「いい湯だな」
これは言葉ではなく、ドリフターズが歌っていた「いい湯だな」です。
この歌はタクさんが私の介助で入浴する時、湯船の中で自ら口にし始めた歌でした。
初めて湯船の中で父がこれを歌った時、ビックリしました。
あの頃(昭和40年代)、「ドリフの全員集合」などをTVで一緒に観ていました。
当時この歌を歌ったこともない父なのに、認知症になって入浴介助が必要になり、浴槽で気分良くなって、歌ったこともない「いい湯だな」を自ら歌うなんて!!
人生の印象的な時期のこと、歌、それまで出てこなかったことなのに、認知症になっても覚えていて突然出てくることがあるんですね。
「♪~いい湯だな、ハ、ハハン、いい湯だな、ハ、ハハン~♪」と。
それ以来、父をご機嫌よく入浴させるため、私も一緒に歌いながら入浴介助をしました。
二人で掛け合いしながら歌うのは楽しかったです。
以前も書きましたが、入浴にはかなりてこずることが多かったのですが、何とか入浴できて、父の口からこの歌が出た時には安堵しました。

日本の良き時代、昭和30~40年代はタクさんが頑張っていた良き時代だな~と、つくづく思います。
最近「ALWAYS 三丁目の夕日」とか、「東京タワー」とか、この時代に関連する映画などありますね。
実は私は東京タワーが半分まで出来かかっているのを見た記憶もあったり、「東京オリンピックまであと○○日」と世間が盛り上がっている時代に、小学校の運動会の行進曲がオリンピックマーチだったり…。
タクさん同様、懐かしい時代、忘れられない時代でもあります。

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