介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第181回 私は今日まで生きてきました(2007年2月7日)

一昨日の日曜日、イズさんがいる有料老人ホームへ行ってきました。
その日もまた、イズさんはベッドで寝ていました。
まったくよく寝てるな~病気でもないのに。
軽く眠っていたようでしたので、声を掛けるとすぐ目覚めて、「どうしたの?何で来たの?」と、前回と同じことをイズさんは言いました。
いつものように、洗濯をしようとすると、「いいんだったてば!!」と、ムキになって怒るイズさん。
洗濯、洗濯物の整理、トイレ掃除、部屋の掃除。
私はこれらをすることと、イズさんのお相手をしに来ているんですから、怒ることないのに…。
ふむ…だったら、もう行くのよそうかな~♪

じいさんは素直でない。
じいさんは可愛くない。(前回参照)

で、今日は生き甲斐について語り合いました。
でも、イズさんとそういう話しをしても無駄だんだな~これが。
イズさんとそういう話しをすると、あらぬ方向に話がそれてしまうんだな~。
なので、仕方なく、私自身の生き甲斐や生活観を話したんです。
イズさんには未来はどうでもいいのだ。
イズさんはただ何となく、毎日過ごしているのが好きらしい。
生き甲斐とか、目標とか、希望は何もないらしい。
そんなこと考えるのも面倒らしい。
イズさんは火事になったら、どう避難するのがいいか考えているらしい。
そんな自分がバカバカしいと思うらしい。
でも、そんなことしか考えられないらしい。
テレビで観た元気な百歳の人の話とか、年取っても頑張っている人の話とかしたけど、
そんなことイズさんには関係ないらしい。
人の真似はしたくないらしい。
イズさんは我が道を行く!ただあてもなく。
無理はしたくないそうだ。
こうして、過ごしていれば、そのうちお迎えが来るから、「それまでのこと」だそうだ。
せっかく、長生きしても、認知症でもないのに、こんなんでいいのかな~。
せっかく神様から貰った命なのに、余命がもったいないな~。

でも、じいさんにはじいさんの、何十年もの生き方がある。
それは、ばあさんの生き方とは大分違う。
じいさんは、それを少しはわかって欲しいと思う。(前回参照)

そうか、何十年も仕事をしてきて、結構な年金を貰って、でも、その年金を使うのはもったいなくて使えない。
家事はする気がないし、趣味も年取ったから、もうしない。
体を動かすのも面倒だし、病気になるのは嫌だけど、病気のことを知るのも面倒らしい。
これって、無我の極地??
違うんじゃない??
で、これじゃらちがあかないと思ったので、いつものようにカラオケをすることにしました。
「じゃ行こう!!」と、やっとベッドから出たイズさん。
何と!ジャージのズボンを後ろ前に履いていました!!
「チャックがお尻についてるよ~♪履き直した方がいいよ~」
ベッドに腰掛けて履き直すのを見ていると、また後ろ前になったのでした。

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