介護日記・二人の父の雑記帳 第151回〜

【第180回】おじいさんと、おばあさん介護の違い(2007年2月6日)

世間では、おばあさんを介護する例が圧倒的に多いです。
なぜなら、おばあさんの方が一般的に長生きだから。
ある年齢以上のおじいさん、おばあさんの比率は、おばあさんが圧倒的に多いと思います。
そのためでしょう。
老後は、おばあさんのためにある、みたいな実態と化しています。
テレビの認知症介護の実例を取り上げるのを見ても、おばあさんばかり。
デイに行っても、ショートに行っても、おばあさんが圧倒的。
特養も老健も、グループホームも、有料老人ホームも、どこに行っても圧倒的に、おばあさんが多い。
家族会に行っても、おばあさんを介護している人が圧倒的。
ブログを見ても認知症の場合は圧倒的に、おばあさん、または女性を介護するブログです。
そして、介護者は家族介護でも介護職でも、女性介護者が圧倒的です。
私はそういう様々な例を見て、そして自分自身も二人の父を介護して、おじいさんを介護するのと、おばあさんを介護するのとでは違いがあると感じました。
正直言って、おじいさんは、おばあさんに比べると嫌われ者です。
だって、私も、母親介護ならまだ良かったのに、なんで、父親を介護しなきゃならないの?!と最初思いましたから。
それどころか、おじいさん二人を介護することになってしまった。
世間一般に好かれない、おじいさんの介護。
おじいさん介護が好かれないのはなぜか??
特に認知症の場合、それは顕著です。
以下は、特に認知症の場合だと思って読んでください。

◆おじいさんの立場
おじいさんは頑固。
おじいさんは可愛くない。
いえ、家族にとっては可愛いかもしれない(笑)
おじいさんは孤独だ。
おじいさんにはデイに行っても、誰も近づいてくれない。
だって、デイに来る人は、おばあさんが圧倒的だから。
おばあさん達は、おばあさん達同士でおしゃべりしている。
それで足りている。
おじいさんが話の輪に加わっても邪魔だ。
おじいさんには、近づきにくくておばあさんはそばに寄って来ない。
だって、気難しそうだもの。
おじいさんには、おじいさんも近づいて来ない。
おじいさんはお互いに一国一城の主(あるじ)だから。
人の領域を犯そうとはしない。
仲良しの認知症のおじいさん同士が、お茶を飲んでしゃべっていることは、まずない。

おじいさんは、デイやショートで別におしゃべりしたいとは思わない。
おじいさんはレクリェーションや行事も楽しくない。
特にそんなことを楽しもうとも思わない。
女、子供が喜ぶようなことを、おじいさんはしたくない。
おじいさんには、おじいさんのプライドがあるのだ。
おじいさんは威張りたがる。
おじいさんは怒鳴りたがる。
そんな時のおじいさんの声は太くて怖い。
だから、おじいさんは嫌われやすい。

でも、おじいさんにはおじいさんの、何十年もの生き方がある。
それは、おばあさんの生き方とは大分違う。
おじいさんは、それを少しはわかって欲しいと思う。
でも、介護者の多くは女性だ。
女に、おじいさんの気持ちがわかってたまるか!と、おじいさんは思う。
介護者が同性であっても、世代が違うのでわかってもらえない。
わかるわけもないから、おじいさんはとっくに諦めている。
おじいさんは、自分の気持ちを素直に表現できない。
おばあさんばかりの中で、素直になんかなれない。
女性介護者にも、素直になんかなってやるもかんか!と思う。
男はそうやすやすと本音は言わないものだ。
だって、おじいさんは、人生は孤独との戦いだと思っているから。
男の道はそんなものだと、おじいさんは思う。
戦争にも行ってきた。
一家の大黒柱だった。
男の道を、やすやすとわかってたまるか!
だから、おじいさんは頑固で取っ付きにくいと思われてしまう。
可愛くないと思われてしまう。
おじいさんは、おばあさんを介護するのと同じに扱われては嫌だと思っている。
男のプライドがあるから。
それなのに、世間では、おじいさんを介護するのも、
おばあさんを介護するのも、同じと考えている。
だから、実例を挙げて紹介するのも、おばあさんのことばかり。

おじいさんは、ふと思う。
これって、介護の差別ではないかと。
性差による介護の区別は必要ではないかと。
男女は平等ではないのだ。
違いがあるのに一緒にされてたまるか!と、おじいさんは思う。
おじいさんは、もっと、おじいさんが要介護状態になっても、
暮らしやすい介護を考えて欲しいと思う。
おじいさんは、おばあさんとは、違うんだ!と、大きな咳払いと共につぶやいた。

<注>
もちろん、こうじゃないおじいさんもいます。 

【第181回】私は今日まで生きてきました(2007年2月7日)については、こちらへ。

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