介護日記・二人の父の雑記帳 第151回〜

【第179回】タクさんの脳トレ その2【認知症初期・中期】(2007年2月5日)

◆般若心経の写経
タクさんは文字を書くことが大好きで、達筆でした。
小学校で私が初めて書道の授業を受ける時も、手を取って筆の使い方や墨のすり方など色々教えてもらいました。
文字を書くことは、認知症初期から中期にかけてはまだできました。
せっかく書くことが好きだし、毎日の日々をただ何となく過ごしていてはイケナイよね~と、父に写経を勧めました。
父の先祖代々の宗派は丁度般若心経を使う宗派でもありました。
独身の頃、作家、五木寛之の「古寺巡礼」のようなことをしていた私は、実は自分が写経をしたかったのでした。
最近は写経がブームで、それ用の本が色々売られているようですが、父にそれを勧めた頃は写経本も本屋でやっと1種類しか見つかりませんでした。
墨と硯はあったので、筆と半紙を父と一緒に選びました。
お手本に半紙を重ねて写し書きするだけですが、これが結構大変です。
認知症になって集中力に欠けてきた父には、1枚書くのにも時間がかかりなかなか進みません。
写経の文字は年配者にとっては書きにくい小さな文字でしたから尚更です。
じっくり私が付き合ってあげれば良かったのですが、通い介護で時間も限られ、父が書くのを全部見ていられませんでした。
父任せにしていると、なかなか書けません。
毎日1枚ずつ書いて、たくさん貯まったらいいね~と言っていた夢は、いつのまにか自然終息してしまいました。
写経は文字を書くことが好きな人で、認知症も初期の頃から始めれば、そして、一緒にじっくり取り組んであげられれば、きっと良い「脳トレ」になると思います。
ちなみに父が書いた写経は保存してあります。

◆折り紙
この効用も最近言われていますね。
折り紙は手軽にできるので、タクさんと一緒におしゃべりしながら楽しくやりました。
鶴など、難しいものは大分手伝ってあげました。
どうも、角をキチッと尖らせたり、揃えるのが難しいようでした。
幼稚園児みたいな、ゆるい仕上がりでしたが、何とか楽しくできました。
長時間続けるのは無理なので、毎日1~2枚ずつ、介護者と一緒に楽しく続けることがコツだと思います。

◆辞書遊び
父が認知症以前に買った外来語辞典がありました。
父がそのページをめくって「○○○ってどういう意味だ??」とたずねて、私がそれの意味を答える遊び?です。
辞書に書いてある解答は父が読み上げます。
父が自分から始めたことで、しばらくその遊びは続きました。
その頃、父は声を出して本を読みましたが、同じ行を何度も読んでしまったり、読んでもあまり頭に入っていなかったと思います。
だったら、ただ読むだけでなく、一緒に楽しめることなので、こんなこともしないよりは良いかな~と思いました。

◆カルタ取り
これは父がデイでよくやっていたことです。
父はもっぱらカルタの読み手の担当でした。
皆の調子を見ながら、大きな声で読み上げ「さあ!あと1枚だよ!みんな頑張って~!!」などと、意外にも盛り上げ役が上手だったそうです。
読む方も取る方も、ワイワイ言いながら楽しめることは良い刺激になると思います。
父が使っていたのは、ひらがなで書かれた「犬もあるけば棒にあたる」の「犬棒カルタ」でした。
父が特養に入居してから、このカルタを年末に本屋で探したらやっと見つかりました。
児童書コーナーのお正月用品に「犬棒カルタ」は置いてありました。
一緒にやろうかとせっかく買ったけれど、特養に入ってからは、もう字を読むことができなくなってしまいました。

◆塗り絵
タクさんはしなかったけれど、最近流行の大人用の「塗り絵」も良いですね。
今は色んな種類の塗り絵を売っています。
塗り絵なんてバカにできないほどステキなものがありますね。
タクさんの特養のショートに来ている女性の方々がよくやっていました。
今から6~7年前はブームではなかったので、子供用しかありませんでした。
当時、塗り絵がもっと手に入りやすければ、絵を描くのが好きだった父に、絶対やってもらったと思います。
認知症は集中力を奪いますので、どの「脳トレ」も一人でしてもらうことよりも、できるだけ介護者が一緒に関わることでより良い成果が現れると思います。
たとえ、作品のできが良くなくても、成果が上がらなくても、一緒に行う時間が楽しければ、それで十分だと思います。

【第180回】おじいさんと、おばあさん介護の違い(2007年2月6日)については、こちらへ。

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