介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第174回 ボケの科学??(2007年1月21日)

このタイトルはボケてないイズさんが先日話していた言葉です。
イズさんは有料老人ホームへ移ってから、認知症の方々との接触が多く、ボケについて真面目に考え始めたようなのです。
ホーム長さんとイズさんのことについて話をした時も、「イズさんはどうも認知症の方が気になっておられるようです」と、良くも悪くもの意味でおっしゃられました。

イズさん曰く。
人間90歳になるとボケる人が多いんだよな~。
周りをみていると大体そうだ。
自分も90になったらボケるかもしれない。
どうしてそうなるのかな~??
「ボケの科学」を考えてみたい。
もし、90になってもボケなかったら、取り越し苦労だったな~で済むじゃない??

問題定義の仕方が、何とも納得しかねるんですが…(笑)
どうして、90歳とわざわざ括っているのかな??(笑)
イズさんのことをいつも心配している親戚の方、あの方は90歳だけど、全くボケてなくて口と頭は大変達者。
ただ、足腰が弱くなってあまり出歩けないようです。
そういう例もあることですし。
イズさんの90歳認知症説は、かなり独断と偏見に満ちています(笑)
前にボケない方法が見つかったら、ノーベル賞ものだと私が言ったので、それをきっかけに考えたのかしら??
そんな漠然としたことを考えるより、せっかく今元気なんだし、今のご自分の在り方に目を向けて欲しいです。
何か生き甲斐になるようなことを見つけて、これからの人生を楽しく有意義に生きて欲しいのです。
ほっといても、イズさんは自分でそれらを見つけられそうにないので、一緒に何かしてあげて、その中から「これは!!」と言うものに出会って、導いてあげなくてはならないように思えます。

それともホームにいるのだから、時の流れに任せれば、何か良いことが見つかるのかしら??
でも、1年半の老健生活の様子からすると、今後も有り得ない感じが…。
イズさんにとって楽しみになるようなことは、今までやっていた囲碁、カラオケぐらいかな??
ギターは以前カルチャーセンターで教えていたこともありましたが、今はやっていないので、とても衰えてしまい、ご本人も全く自信喪失気味です。
「私が歌うから、ギターを弾いて一緒にやりましょう」と、少しやりましたが、一緒にいる時間も足りないし、ご本人のやる気がありませんでした。
囲碁、カラオケ、ギターも、イズさん一人ではできないことばかりです。
逆に一人でできないからこそ、他の方々と一緒にやることが成果に繋がると思いますが、そういうお相手に恵まれません。
これも、ゆっくり周りが設定してあげなければならないでしょう。
ただし、囲碁については、私が少し考えていることがあります。
イズさんは手を使って何かを作り出す作業は好きではありません。
文字を書くことも好きではないし、新聞や本を読むことも長続きしません。
イズさんの情報源はTVとラジオと、人の噂です。
自宅で一人暮らしの時はワイドショーをよく観ていました。
散歩も買物目的以外は、あまり乗り気ではありません。
自然のものに目を向ける習慣がありませんでした。
せっかく認知症じゃなく、体も動かせるのにもったいないことです。
結局何もしない分、人の様子を見て何かと気になり、ホームや人の粗探しをするようなことになるのです。

こんな生活でよくボケないものだと思ってしまいます。
こんなイズさんの例でも言えるように、認知症になるかどうかは、私は元々その人が持つ遺伝子に関係すると思っています。
ボケそうな生活をしていても、ボケない人もいて、それは遺伝子にそれらの要素がないからかもしれません。
イズさんの今後を一緒に考え、できることを一緒に手探りでやっていくしかなさそうです。
元気でのんびりできるのが一番かもしれませんが、せっかく長生きしているのだから、何か生き甲斐があっても良いと考えるのは贅沢なのかな??
今日のタイトルに期待を抱かれた方、ゴメンナサイ。
日曜はイズさんのホームへ行って来ます。
イズさん、あれから「ボケの科学」を少しは考えたでしょうか?? 

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