介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第166回 避難(非難?)訓練(イズさんの場合)(2007年1月11日)

今日はちょっと疲れたので、都会派?イズさんの軽い話題です。
昨年末、イズさんの有料老人ホームで初めての避難訓練がありました。
昨年12月オープンで早速の避難訓練、良いタイミングではありませんか!!
ところが、イズさん曰く。
「早く避難訓練やってくれないか!と、
○○さんと一緒に何度もホームの人に頼んで、やっとやってくれたんだよ」
そうかな??
元々12月下旬にやる予定だったんじゃないのかな?
イズさんの嘆願が叶い、やって良かったじゃない~♪
「それがね、ぜーんぜん、なってないんだ!!」とご立腹のイズさん。
「まったく田舎の人間がやることはトロいんだよね」と、またまた田舎と都会の比較です。
このホームだって、田舎とは言え、一応東京だし。
でも、畑に囲まれているから田舎だわ。
それに、この施設で働いている人が皆、ここの地元とは限らないし、都心から来てるかもしれないし?
都心から来ていても出身は田舎かもしれないけど?
まあ、何でもいいけど、イズさん、変に田舎と都会の比較はしないほうが良いと思うんだけどね~。
田舎の方、悪口言ってすみません。
要するに、ホームの2階に住んでいるイズさんにとって、火事や地震の時、逃げられなかったらどうしよう??という、大きな問題を抱えていたのです。

2階建てのホームにはエレベーター以外に、AとB二つの階段が建物の両端にあるのですが、今回の避難訓練ではA階段しか使わなかったことが、イズさんのご立腹の理由なのです。
A階段はイズさんの部屋のすぐ近くです。
「両方の階段を使って、さっさとやれば一度で済んじゃうのに、何で二つあるのに両方を使わないんだ!!」
「しかも、参加したのは僕と○○さんだけだったんだよ!!」
<注>イズさんは自分のことを「私」とか「俺」とは言わず、いつも「僕」と言います。
○○さんはイズさんと同様に認知症のないクリアな方です。
私はこう答えました。
「皆がイズさんのように、さっさと行動できる人ばかりじゃないのよ~。この施設にいる人は、ほとんど要介護の人達だからね。さっさと行動できない方に合わせるから、AとB両方の階段を一度に使ってやるのは難しかったんじゃないの?」
「それに、他の方々は一人では行動できないような方々で、今回の訓練には事情があって参加できなかったんじゃないかな??」
「こんな訓練の仕方では、いざという時に役に立たないよ!!2階からどうやって逃げろと言うのか??!!」
イズさんは相当ご立腹。
「シーツでも繋げて窓から下に下りるしかないじゃないか!!」
もう、眉も吊りあがって本気でご立腹。

映画のシーンのように、シーツを繋げて・・・イズさん凄い発想!!
でも、繋げるほど何枚もないんだけど?
繋げても、ベランダの柵をイズさんは一人で乗り越えられるのかな?
重みでシーツが切れちゃうじゃじゃないかな?ブチッ!!
想像すると笑いが止まらなくなりそうでした。
こらえて、私はイズさんに言いました。
「第一、キッチンはあってもIHヒーターで火気はどの部屋にもないんだし、タバコは外の所定の場所でしか吸えないし、火災の原因になりそうなものはないから大丈夫よ!
今はシーツを繋げなくても、助ける手段はあるから心配しなくて大丈夫よ!」
そして、念のため、イズさんとベランダを再確認しました。
このホームに来て急に避難訓練のことを言い出したけれど、前の老健の時は全然そんなこと言っていません。
1年半もいたので避難訓練は何回かあったかと思いますが。
とにかく、「ホームの者のやり方はなってない!!」と、かなり相当ご立腹でした。
批判するのは達者なイズさんです。
文句を言うぐらいなら、ご自分でも避難のための準備は当然しているのでしょうね~??(な、訳ない!!)

後日、この話はイズさんから何度も聞かされ、ホームのマネージャーさんからもこの件でご挨拶頂きました。

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