介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第160回 イズさんのホームでのお正月(2007年1月5日)

少しイズさんの話題から遠ざかっていましたが、イズさんは元気です。
年末の29日に行って、お正月に皆が行ってもいいように、掃除、洗濯などをしてきました。
イズさんは新しいホームにも慣れ、入所者で親しく話すようになった方々のことなどを色々聞かせてくれました。

お正月は3日に、私達夫婦と夫の兄のお嫁さんとその息子(中1)がイズさんのホームに集まって、イズさんが楽しみにしていた外食をしてきました。
昨年の夏以来の集合です。
昨年のお正月はイズさんを含め、我が家に皆が集まったのですが、子供達が成長するに従って、全員が集まることが段々少なくなり今回も全員ではありません。
イズさんが孫に渡したいお年玉のことを考えて、年末に行った時、イズさんにお小遣いとして、預かっているイズさんのお金からいくらか渡しておきました。
イズさんのお金の管理をしている立場としては、こういう時は変な役どころです。
イズさんの部屋で皆が集まって話をしている時、私はいつものようにせっせとトイレ掃除などしていました。
「私はいつもイズさんと話しているからいいの。なかなか話ができない皆が話をしてね」と言って。
そうすれば、私に気兼ねをせず、話も少しはできるでしょう。

トイレ掃除をしながら、少し話が聞こえていました。
「困ります。私は何もしていないから、色々しているのはえすえさんだから…」
「えすえさんは受け取ってくれないから…あの人は頑固だから…」
義兄のお嫁さんが帰る時言いました。
「おじいちゃん、持ってるお金あと1000円しか残ってないみたい。
私、こんなに貰っても困るから返してこようか?」
「また1週間もしないうちに私行くから、1000円あれば何も使うことないから大丈夫よ」と私。
「いくらか渡してこい!」ときつい表情の夫。
急いでイズさんの所へ戻り、少し渡してきました。
イズさんは孫のお年玉だけでなく、ほとんど全部渡しちゃったんだ…。
義兄のお嫁さん、色々大変だからね。
義兄のお嫁さんと言っても、私より10歳年下なんですが。

これで、いつか言ってた私に「介護のお礼」というのは無しになっちゃったみたいだな…。
もっと前にも言ってくれたことあったけど、その時も私はいらないと言ったからね。
少しその気になっていたのに。
さっき「頑固だから」とかイズさん私のこと言ってたし…。
イズさんの気持ちを素直に受け取っておけば良かったのかな??
別に何も欲しくないのですが、何だか少し寂しかった。
私はドケチなタクさんの娘なので、親からお金や物を貰ったことがなく、なくて当然と思ってきました。
何でも与えられて、してもらって育った弟を横目で見て、「いいな~。でも、私はお姉ちゃんだから我慢しなくちゃね」そういう立場で、そういう卑屈な考えを持って育ってしまい、欲しくても「欲しい」と言えないし、貰うことに素直になれない。
そういう私も寂しい人間なんだな…と思いました。
人間、素直にならなくちゃね。

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