介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第155回 タクさんの好きな歌 その1 童謡編【認知症中期】 (2008年12月28日)

父は認知症以前にはそんなに歌を歌いませんでした。
父は自称音痴と言っていましたし、私が小学生の頃、父がたまに歌うと私達家族が「下手だな~!!」
なんて冷やかしたせいだと思います。
あの頃は父に悪いことしちゃったな。
ところが、デイサービスに通うようになって、デイでよく歌い、家に帰ってからも大きい声でとてもよく歌うようになりました。
頻繁に歌うのでどんどん上手になりました。
一緒に飽きるまでよく歌い続けました。
最もよく歌っていた時期は今から4年前の2002年です。
何度も録音しようと思ったのに、とうとうできなかったのが残念です。

歌のエピソードについては以前にも書いたので重複するかと思いますが。
今回はタクさんが好んで歌っていた曲を思い出してリストアップしてみます。
デイでもらった歌詞のプリントや、父が持っていた古い歌集を見ながら一緒に歌いました。
なんたって十八番は、貴様と俺とは~♪の「同期の桜」。
特養でもタクさんといえば「同期の桜」と知られていました。
次にお得意なのは、踊り踊るなら~♪「東京音頭」。手拍子しながら、なかなか楽しく歌いました。
月が出た出た~♪の「炭坑節」。
ふるさとの曲、甲斐の山々~♪の「武田節」。
民謡&盆踊り系は特に好きでした。
ちょっとしんみりした酒は飲め飲め~♪の「黒田節」、そして「荒城の月」も。
今回は主に童謡や小学唱歌の曲をとり上げてみました。
大きな声で元気良く歌う「我は海の子」。
意外にも「月の砂漠」のようなセンチメンタルな曲も歌いました。
「めだかの学校」「どんぐりころころ」「おさるの籠屋」「七つの子」「里の秋」
今は山中今は浜~♪の「汽車」、汽車汽車シュッポシュッポの「汽車ポッポ」
「春よこい」「カラスの赤ちゃん」「かたつむり」「こいのぼり」「りんごのひとりごと」
「証城寺の狸囃子」「うさぎとかめ」「靴が鳴る」「カモメの水兵さん」
「お山の杉の子」「春が来た」「村祭り」「通りゃんせ」「ずいずいずっころばし」
「夕焼け小焼け」「お正月」他にもたくさん。

逆に歌は知っているのに歌詞を知らず、過去にあまり歌ったことがないらしい曲として「ふるさと」。
兎追いしかの山~♪と誰でも知っているのに、父は歌詞を覚えていませんでした。
私は大好きなので何度も歌い、父に「良い曲だね~」と言うといつもうなずいていました。
どうやら小学唱歌は学校時代真面目に歌ったことがないらしく、だから歌詞を覚えていないようなのです。
春のうららの隅田川~♪の「花」も歌詞を元々覚えていなかったようです。
小学校の時、歌の成績が良くなかったと言っていましたので、真面目にやらなかったのでしょう。
「青い山脈」は知っているけれど歌詞を覚えてない曲の一つで、父はいつも「チャンチャンチャン~♪」で歌っていました。
童謡でも父にとっては新しい方の曲「犬のおまわりさん」などは、私がいつも「ワンワンワワーーン♪」と歌うので、喜んで聞いてくれました。
「おもちゃのチャチャチャ」は「チャチャチャ」に合わせて手拍子を上手にやってくれました。
「幸せなら手を叩こう」では曲に合わせて叩いてくれましたが、二番の歌詞「足鳴らそう」では足を鳴らさず、いつも手を叩いていました。
夏も近づく~♪の「八十八夜」では、二人で掌を合わせて叩きながら歌う曲なので、それを教えたら、2002年頃は何とかできました。
その後、2003年頃には難しくてできなくなりました。
2004年頃にはじゃんけんができなくなりました。
それまでは勝ち負けが分からなくても、手の形ができたのですが、この頃は特に「チョキ」が上手くできなくなって人差し指と親指を伸ばすチョキをやっていました。
幼児もよくそうやりますね。

もっと一緒に歌っていた曲がありましたが書き切れません。
一緒に歌った曲というのは、私が好きな曲でもあるのですよね。
楽しい思い出です。

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