介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第109回 タクさん危篤時の裏話(2006年11月3日)

タクさんが亡くなって1週間経ちました。
誰にも言えない?父の危篤時の裏話を…。

2006年10/25(水)の夜7時15分頃、特養から電話。
父が緊急に病院へ向かうとのこと。
私は夕食もとらずに病院へ駆けつけました。
病院に着いてしばらくは、父の検査などで慌しく時間が過ぎていきました。
10時過ぎ、父は個室に入院。
10時40分頃、付き添ってくださった特養の職員さんが帰りました。
その後、急速に父の様態が悪くなって、父のそばに付きっ切りになりました。
父の手を握って、声をかけながらベッドの脇に座っていると…。
妙にお腹が空いてきました。
夕食を食べないまま、夜の11時を過ぎているのですから。
この日の昼食は2時半頃で、その後おやつも食べていません。
父の病室はナースステーション前の個室。
看護士さんが出たり入ったり。
父の様子が「これは危ない」と思い始めたのが11時10分を過ぎた頃。
片手で父の手を握り、片手は携帯のメールで連絡。
以下、自宅に居る夫宛てのメールの記録。

23:16 「かなり悪い」
23:18 「相当危ない」
23:20 「今夜がやまかも」
23:27 「弟に電話して!」
23:33 「弟に病院五階に来るように!」
23:36 「電話できないから電話して!」
弟、電話に全然出ないと夫の返信。
23:49 「出ないならいい。あなたがこっち来てよ」
その後、弟に電話して繋がる。(弟、寝ていた)
まもなく、夫が弟より早く病室へ来る。
私は父に声をかけながら、ずっと片手で父の手を握っている。
夫に、父の危篤時にあるまじき要求を伝える。
「お腹が空いてたまらないので、パン買ってきて欲しい。食べやすいのを!」
今夜は何があるかわかったもんじゃない。腹ごしらえは必要だ。
しばらくして夫、パンを買ってきてくれた。
家から持ってきたペットボトルのドリンクを飲みながら、パンをほおばる私。
片手は父の手を握り締めたまま。
美味しいとか不味いとかは問題ではなく、ただ空腹を満たすために食べる。
親が危篤の時、パンなんか食べていて許されるでしょうか??
多分、時刻は深夜12時半頃だったかもしれない。
その頃、弟も駆けつけた。
夫と弟に父を看てもらって、その後、私はトイレにも行った(個室なので部屋にトイレあり)。
こんな時、こんな余裕で良いのでしょうか??

その後、父は深夜1時10分に息を引き取った。
最後の父の呼吸をこの目ではっきり見た。
「もう、息していないよ。脈はさっきからほとんどないし…」
親が亡くなった時、こんな観察力旺盛で良いのでしょうか??
父の死亡後、部屋に来た看護士に父が息を引き取ったことを伝える。
看護士が当直医を呼び、死亡確認したのが1時23分。
なので、死亡診断書の死亡時刻は医師が確認した1時23分。
医師の死亡確認は、ドラマの場面みたいだな…と思った。
こんなに冷ややかで良いのでしょうか??
その後、色々あって自宅に帰ったのが明け方4時過ぎ。
ここで、また私はお腹が空いて、家にあったカレーパンを食べたのでした。
こんな特別な日に、こんなにお腹が空いて良いのでしょうか??
後日談とは言え、こんな不謹慎なことを書いてしまって良いのでしょうか??

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