介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第108回 持ち主がいない引越し(2006年11月2日)

今日(11/2)はタクさんの荷物が引越して来ます。
特養の自室にあった父の荷物が我が家に戻ってくるのです。
2年7カ月前、父が特養に引越した時は、それまでいた2度目のグループホームから私の付き添いでタクシーで特養に引越しました。
父がデイとショートで長らく通った特養でしたから、引越しというよりも「荷物を持って馴染みの場所に戻ってきた」という感じでした。

よく晴れた暖かい日でした。
それからは、私が特養に行くたびに父の物が徐々に増えていきました。
父がいない今、次の方のために早く部屋を明け渡さなければなりません。
父が10/26に亡くなってから、何度か父の特養に行きました。
先日、荷物を持ち帰るために行ったら、すでに職員さんが荷物の整理をしてくださって、徐々に増えた父の物はダンボール箱5個分にもなっていました。
紙袋で徐々に持ち込んだ衣類や雑貨でしたが、こんなにも増えるものなんですね。
他にも椅子やテーブル、タンスなどの大物もあります。
タクシーで持ち帰りきれないので(我が家には車がない)、今日、特養の車で荷物が戻ってくることになりました。
大物の椅子やタンスも運ぶので事実上の引越しです。
持ち主のいない引越しになってしまいました。
特養の職員さんは運転手兼運び屋までやってくださるのです。
生活援助が仕事だとはいえ、持ち主がいなくなってもそこまでやってくださるなんて、有り難くもあり、申しわけなくもあり…。
父の特養の職員さんには頭が下がるばかりです。

タンスは購入した時、店から特養の車で運び込み、職員さんが面倒な組み立てまでしてくださったのです。
本当に感謝、感謝です。
父の荷物が戻ってきて、特養の父の部屋は明け渡される。
父だけでなく私も慣れ親しんだ父がいた特養、父の部屋…。
こうして、父がいた形跡は特養から消えることになるのですね…。
寂しいなぁ、寂しいなぁ…。

<注>父の特養
父が居た特養はユニットケアの特養なので、居室は相部屋ではなく、個室または個室仕様になっています。父の部屋は完全個室ではなく、個室仕様の方で、隣の部屋と稼動式の壁で仕切られているので個室も同然ですが、個室仕様となります。
個室仕様なので個室料金が完全個室の場合よりずっと安くなります。
個室仕様の部屋があるのは苦肉の策なのです。
2000年にこの特養は開設しましたが、計画段階の時点では、国の方針で完全個室では許可がおりなかったからだそうです。
現在は国の方針が変わり完全個室推進となりましたが。
TVや家具など何でも持ち込みが可能でした。
部屋にトイレはありませんが、各部屋には他に洗面台が備え付けられています。

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