介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第102回 「可愛い」が嬉しい♪(2006年10月24日)

昨日(10/22)は、イズさんの老健からドロドロの気分のまま、タクさんの特養に行きました。

ドロドロ気分はタクさんの顔を見たら、すっかりどこかへ飛んでいきました。
夕食前、ベッドで横になっている父に声を掛けると今日は調子良さそう。
車椅子に今日はラクに移乗できて、いつものようにフロア内めぐり。
ショートステイのユニットは、いつも女性入所者がおしゃべりしたり、塗り絵をしたり、タクさんのユニットよりにぎやか。
父に話しかけながら車椅子でひとまわりすると、「娘さんでしょう?お父さん、いいわね~♪」
「うちは娘はいないから…」
「うちの息子はね…」
などと、皆さん話に花が咲く。
よくショートに来ている方は、私も顔を覚えています。

父は在宅の頃から「可愛い」と言われるのが、なぜか好きです。
男で、この年齢だと普通それはないだろうって感じですが…(笑)
在宅の頃、足の爪切りをする時、自分の小さな足のことを「可愛い足だろう♪」
と言っていたほどですから。
父は厳格な反面、お茶目なのです。

フロア巡りしながら、何の前触れもなく父に話しかけました。
「お父さん!お父さんって可愛いね~♪可愛いおじいちゃんだね♪」と。
そしたら、父はニコーーッ(^-^)
「わぁ!お父さん、笑うともっと可愛いね~♪」と父の肩を叩きながら、私も体を揺すって嬉しさを全身で表現すると、父は再び、ニコーーッ(^-^)
言葉は出ませんでしたが、父の手が何か言いたそうに私の方へ差し伸べられました。
幸せな父の微笑みで、私も幸せな気分でした。
これって、赤ちゃんが笑った時と状況が同じみたい(笑)
認知症の場合、どんな話をしようかと困ることがあるかもしません。
父の場合、言われたことの前後のことは繋がっていませんから、何の脈絡もなく、こうした父が喜びそうなことを言っても全然OKなのです。

「可愛い」のことがあったせいか、夕食時も父は頭が冴えていました。
小さい声で何か色々しゃべっていました。
「…可愛がってあげると、喜ぶんですよね」
「あとで何と言われるか…」
その前後に何て言ったか分からない部分があるのですが、私が聞き取れた言葉は上記のように意味有りげ。
こうして、私は父の認知症が相当進んではいるものの、結構楽しく、父と笑いながら接することも多いのです。
父と話が上手く噛みあう訳ではありませんが、要はこちらの感じ方、接し方で楽しくなるんです。
これも、特養で介護の大変な大部分を職員さん達にお世話になっているお陰ですね。
娘の私は、身内でしかできないことをしてあげればいいわけですからね。

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