介護日記・二人の父の雑記帳 第51回〜

【第80回】認知症中期のタクさん その14(デイ・エピソード集1) (2006年10月1日)

少し間が空きましたが、タクさんの「デイサービス・シリーズ」の再開です。
現在入居中の特養のデイサービスに、頻繁に通っていた時の様々なエピソードを紹介します。

◆どこでも宜しくお願いします!
デイの送迎車に乗るときに、まず「宜しくお願いします!」と言う父。
きっとデイに着いてもそう言っていたのでしょう。
そのせいか、父と一緒に近くの医院へ行った時も、玄関に入るなり待合室の患者さん達に「宜しくお願いします!」と、はっきり言って礼をしていました。
皆さん「あれ?」て顔をして、それでも無言で父に挨拶を返していました。
ある医院では、挨拶された患者さんの一人が「礼儀正しいお父様ですね」と。
医院だけでなく、一緒に時々入る喫茶店でも、お店の人が注文を取りに来たら「宜しくお願いします!」。

悪い言葉ではなかったので、言われて嫌な顔をする人がいなかったのが幸いでした。
父にしてみれば、ここがどこか、何がどうなっているのか分からないので「とりあえず言っておけば間違いないだろう」と思っていたのでしょうか?
あらためて父に聞いてみたいです。

◆デイの送迎車はタクシーか?!
デイの送迎車で帰ってきて車を降りる時、「おいくらですか?」と、時々言ってました。
運転手さんに「お金はいりませんよ」と言われると、その言葉に意外にもすぐ納得する父。
払わないで済むなら、ケチな父でなくても皆そうかもしれませんね。

◆デイの車を降りたくない
認知症中期も後半になると頻繁にデイの車から降りないことが増えました。
デイの帰り、所定の場所に私が迎えに来て声をかけているのに、父は絶対に車から降りないのです。
何が何だか状況が納得出来ないのに、人に指図されたくない父の気持ちだったのでしょう。
仕方なく、まだデイ利用者が何人か乗っているのですが、空いた席に私も乗り込んで運転手さんにその辺を一周してもらいました。
車に一緒に乗って、父と話をして気持ちをほぐしました。
それで大抵は父の気分が変わって車を降りる気になってくれました。
一周ではダメで二周したこともありました。
運転手さんも気心が分かっている方なので良かったですが、他の利用者の方々も、特に不審そうにはしていなかったのも幸いでした。

◆デイから帰りたくない
上記と同じ時期に、デイから父だけ帰らないことが増えました。
職員さんに色々話をしてもらっても、全然父は帰る気になってくれません。
電話で私が直接父と話しても帰る気になってくれませんでした。
「何言ってるんだ?!わけわからん!!」などと言って怒っていました。
仕方なく、自転車を飛ばしてデイまで迎えに行って、父をやんわり説得して車に自転車も乗せて父と一緒に帰って来た事もありました。
その後、父の「帰りたくない症候群」が出た時は、父の気が済むまでデイにいさせていただき、遅い時間に特別車でご帰還なんてことも何度かありました。

◆自宅を認識できない
デイから機嫌よく帰ってきて、父と腕を組んでマンションの中を通り自宅玄関に入ると、父はよくこう言いました。
「ここは前にも来たことあるような気がするな~♪」と、真顔で言っていました。
その割には玄関に入ってすぐ、壁にある照明のスイッチをためらわずに押して明かりをつけていましたっけ。
習慣は記憶より勝るのでしょうか?

◆犬もしないよ
デイの車を降りて、少し歩くと父のマンションの入り口になります。
そのわずかな距離を一緒に歩いているとき、父はしばしば「あぁ、ションベンしたい!
我慢できない!」と急に言い出します。
その道は歩道が狭く、脇はマンションのコンクリートの壁で、車道は車が頻繁。
こんなところで立ちションなんて絶対にできません。
「お父さん、もう少し我慢してね!すぐウチだから。漏れても大丈夫なパンツ履いてるから、出ちゃっても大丈夫よ!」と言いますが、父はイライラ。
「こんなとこじゃ、犬もオシッコしないよ!」と言うと、「ああ、そうか!」と犬好きな父は妙に納得してくれることもありました。

[参照]
>タクさんの病歴と経過【年表】

【第81回】認知症中期のタクさん その15(帰宅願望1) (2006年10月3日)については、こちらへ。

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