介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

戻る

第76回 認知症中期のタクさん その13(通い介護のデイ当日) (2006年9月27日)

最初、デイは月2回から始めましたが、とんどん回数が増えていきました。
父の徘かいが増えたりして目が離せなくなるため、デイに行ってもらい、見守りをお願いする形となりました。
幸い、父はとても元気でしたから毎日でも通うことができました。

↓前回のデイの前夜に引き続き、デイの日の朝のドタバタは、こんな様子でした。

◆父を起こす
父と同居の弟は早朝仕事に出る前に父を起こし、父のびっしょり濡れた(紙オムツからいつも漏れる)パジャマを服に着替えさせてから仕事に行くことになっています。
父は起こされるまでたいてい朝まで熟睡していました。
ときどき明け方トイレに行こうとして目覚めることもあって、そのとき起きたら時間が早くても、そのまま着替えをして父に起きていてもらうようにしていました。
たまに再びベッドで寝ていることもありました。止めました。

◆自宅を出て父の家へ
デイの送迎車は朝8時45分頃、父のマンションのすぐ近くの場所に来ます。
私は自宅の家事を済ませ、自転車で大急ぎで父のマンションに行きます。

父がデイに出るということは、私はその時間前に父の元へ行っていなくてはなりません。
父の何かがあるたびに、私は父の元へ通うことになります。
訪問ヘルパーさんと同じことです。
私が元気で父の元へ通わないと、父は一人ではデイに出られないのです。

父は私が来ると玄関まで出迎えてくれるので、そのとき「お父さん!おはよう!今日、これから楽しく歌ったりしゃべったり、楽しく過ごすデイサービスに行こうね!!」と着いて早々、いつも同じように父に言います。
すると父は前回書いたように「それは何だ?」の質問など色々聞いてくるので、いつも同じように、とにかく機嫌を損ねないよう対応します。

何回もデイに出るようになると、父も朝出掛ける習慣がついたようで、デイのことを最初の頃ほど説明しなくても、「そりゃぁいいね!!じゃ、行くか!!」と、すぐその気になってくれてラクになりました。
認知症が進んでも、何度もする行為は不思議と体で覚えているようです。

◆筋書き通りじゃないことも
私が父の元へ着いたとき、もし父が着替えを済ませてなかったら着替えさせ、もし食べてなかったら、それは時間がないから何か一つでも口に入れさせ、飲み薬を飲ませ…その間に父の汚れ物を洗濯機に放り込んでスイッチを入れます。

食べてないこともときどきありましたが、最悪は弟が起こしても父が起きずにそのまま寝ていて、弟が出勤後、父が起きてきたケースでした。
そういうときは、メールで弟から連絡が来て、いつもより早く父の元へ行きます。
パジャマはびしょ濡れのままだし、食事は食べてないし、私も大慌てで支度をさせます。

こんな時に限って時間がかかる排便をしたいとか言い、私もイライラしましたが、まぁまぁまぁまぁ…と気を落ち着かせるしかありませんでした。

◆送迎車を一緒に待つ
父と一緒に玄関を出る時、父はいつも「忘れ物はないか?」と昔からの習慣通り言いました。
仲良く腕を組んで(転倒防止のため)外へ出て、送迎車が来るまで所定の場所で歌を歌ったり、おしゃべりして待ちました。
これは楽しいひと時でした。

◆送り出した後
父を送迎車に乗せると、大急ぎで父のマンションに戻り、ゴミ出しや洗濯物を干したり、日によっては布団干し、部屋の掃除などを済ませ、父のマンションから私は仕事に出ます。
家が二軒あるのと同じでした。
午後、私は仕事を終え自宅に帰り、父がデイから帰宅する前に父の家へ再び行き、送迎車から降りる父をお迎えしました。

父がデイに行くようになって、私も緊張感を持ち、毎日父の元へ通勤しているようなものでした。
私の都合で遅刻や欠勤が出来ないスリリングな毎日でした。
弟との連携もあって、これらがスムーズに行くと本当にホッとしました。

親ケア.comオンラインサービス「繋がる」
おやろぐ