介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

戻る

第68回 認知症中期のタクさん その9(介護保険利用のきっかけ) (2006年9月19日)

前回書いたように、父の失禁や徘徊で困り、鍵で閉じ込め作戦をしていた頃、父が現在入居している特養で「介護予防教室」が開催されることを市の広報紙で知りました。
私は初めてこの手の講座を受講し、認知症について具体的な話や対処法などを聞くことができ、受講して良かったと思いました。
この受講をきっかけに、父の介護に対する姿勢はずいぶん前向きになりました。

この講座の終了後、同じ建物内の特養(父が現在入居中の)やデイサービス施設の見学会もあり、私は生まれて初めて特別養護老人ホームの見学をしました。
私はこんなホームだったらいいな~、このホームのデイサービスなら父を通わせてもいいな~と思い、案内の職員さんに色々質問をして相談に乗ってもらいました。

この日この講座を受講したことと、施設を見学して大変良かった印象とで父の介護保険利用の気持ちは固まりました。
私の目の前が少し開けた思いでした。
もう、これからは介護保険利用を面倒がらずに、父の介護を真正面から取り組んで行こうと思いました。
私は「目覚めちゃった!」みたいでした。

その後、市役所に行き介護保険利用の手続きをして、市役所職員さんから「居宅サービス事業者一覧」なる何が何だかわからない事業者名がたくさん載った一覧表を渡されました。
「今でなくてもいいですが、このなかから選んでおいてください」と言われたとき、即座に一覧表を指差し「この事業所を利用したいと思っています」と応えました。
もちろん、今父がいる特養ホームのデイサービス部門でした。
すると市役所職員さんが「ここはとても良いと評判ですよ!」と。
「父が住んでいる市ではないのですが、大丈夫ですか?」と念のため聞くと、「大丈夫ですよ!」と。
「評判が良い」の言葉でなお一層、私の前向きな姿勢に拍車がかかりました。

その後、「要介護3」くらいかと思いきや「要介護4」の判定が出て、念のために他の近くの施設も見学しました。
それが今、イズさんが居る老健でした。
しかし、ここは父に合いそうもなかったので見学だけで済ませました。

この老健では、息子の同級生のお母さんに偶然出会い、看護士さんだと前から聞いていましたが、この老健の在宅のケアマネさんであることがわかりました。
その方から、「知り合いがケアマネじゃない方が先々何かと良いですよ」と言われ、確かにそう思いましたので、初めて見学した特養の在宅部門の方に心を決めました。

父の特養の在宅介護支援センター(現・地域包括支援センター)に電話すると、電話を取った男性が私の話を聞くなり「私がお父様の担当をしましょう!」と即座に言って下さって、その方が前に「認知症中期のタクさん その6(自宅入浴ドタバタ編2)」で
登場されたケアマネさんでありました。

なぜか、とんとん拍子に話が展開していきました。
これからもっと大変になるかもしないのに、私の心は逆に明るくなっていきました。
自分だけじゃないんだ! 皆に助けてもらうんだ! 皆と一緒に父を看ていくんだ!
という気持ちが湧いてきました。

[参照]
>タクさんの病歴と経過【年表】

親ケア.comオンラインサービス「繋がる」
おやろぐ