介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第45回 認知症初期のタクさん その5(こだわりの物)(2006年8月30日)

認知症の初期、父はそれまでと違って入浴は面倒がりましたが、
それ以外のことは以前と変わらず継続していたことがありました。
その「こだわり」と「物」の紹介です。

◆メンズ・ネット
父はくせっ毛なので、寝癖がつかないように昔から「男性用ヘア・ネット」を被って寝ました。
商品名は「メンズ・ネット」でした。
認知症初期には一日中被っていることが増えました。
これがどこでも売っている訳ではないので、売っていたらまとめて私が買い置きしました。

◆ヘア・ケープ
「これは髪をとかすときいいぞー!」とブルーのポリエステル製?のヘア・ケープを肩に広げて使っていました。
仕舞う場所はなぜか間違えず、ちゃんと洗面台の引き出しの中に仕舞っていました。
ケープに落ちた髪の毛はどう始末していたのか??
あまり喜べない気がして、このケープの存在が私は嫌でした。

◆えっちゅさん
父は昔から「T字帯」をパンツの下に履いて、「えっちゅさん」と呼び、
越中ふんどし&パンツの汚れ防止として使っていました。
パンツはベージュ色の「猿股」と言う昔からあるタイプです。
病院に行った時には、父に言われて売店でT字帯も忘れずに買い置きしておきました。
この「えっちゅさん」は失禁が始まり紙パンツ常用になった頃、とうとう使わなくなりました。

◆ステッキ
父の「老人用品」としていち早く取り入れられた物は「ステッキ」でした。
認知症になる以前から、父は転ばないよう用心のため自分で何本も買い集め、使っていました。

認知症になってからも「どうだ!上手いだろう!このステッキさばきを!!見ろ!!」と、街を歩くとき得意げにニヤッと笑って必ず言いました。
この頃足取りはまったく問題なく、ステッキは一種の「父のカッコ付け用」でした。
父は英国紳士気取りだったんだと思われます。

また、ステッキは便利用品としても役立っていました。
窓のカーテンを閉める時、「便利だぞー!」と、いつも使っていました。
「泥棒が来たときもこれで!!」と、
振り回したり突いて見せるので危なくて閉口しました。

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