介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第43回 入院二日目のタクさん(2006年8月27日)

父が今回入院した病院は、我が家から自転車で10分位の距離なので、これから毎日通うのにはそう大変ではない距離です。
今までの特養が一日置きペースで通ってたのに比べると、毎日はちょっと痛いですが、これ以上ボケたら困りますから都合をつけて毎日様子見に行かなくちゃ!!

今日(8/26)、病室に行ってみたら廊下から父の横になる姿が見え、独り言が聞こえてきました。
声が大きい!元気じゃないか!!

熱もなく顔色も良いけれど、足をくの字に曲げて横になる姿は、ますます小さく、痛々しく思えます。
でも、私が「お父さん、いつも同じ向きに寝ていると体が痛くなっちゃうよ~♪こっちに向いてごらん!」と笑って話しかけると、「そうね!」と父も笑いながら応えてくれて、何だかうれし涙が出てしまいました。

歯がないのでもこもこした話し方だけれど、何やら不満らしいことを言ってみたり、とにかく声が大きい!!
特養にいた時は、とっても小さな声だったのに何でこんなに声が大きくなったの??って感じでした。

「そりゃそうですよね」
「わたしゃね……」
「……そういう事はないですよ」
「……うん、そうですよね」
「いろいろありがとうね」

何だか私にもよくわからないけれど、父の話は次々続きました。

タオルケットを掛け直してあげると「どうもありがとうよ」と。
ナースが痰の吸引に来たときは、昨日も言ってた「ここはどこなんだい??」と。

吸引しても痰は殆ど出ませんでした。
今までいつも痰がからんだ声だったのが、全然絡んだ声じゃなく、太くしっかりした声になっています。

ただし、話をしているときは何でもないのだけれど、黙っているときは救急車で運ばれた時から、「プワッ!プワッ!」と音を伴って息を吐きます。
ほっぺを膨らませて口呼吸しているので、まるで水泳の呼吸法です。
ときどきそれが苦しそうになり、ナースを呼んで看て貰いましたが、測定しても酸素濃度は異常ありませんでした。

元気なので私がいる間だけでもと、体を起こしてあげました。
一人では起き上がれないようです。
このまま寝たきりになっては困りますもん。

この病院はレンタル尽くしで手ぶらで入院できるような仕組みです。
父の場合、ロングのガウンスタイルの寝巻きでレンタル。
冷房は弱めなので肌着は着なくて紙オムツだけ。←皆そうしているそうだ
タオルケットなど寝具、タオル類など全部セットでレンタル。
なので、家族が洗濯する物は何もないというわけです。

定時にオムツ交換が有り、紙オムツも病院側が用意。
ヒゲ剃り、爪切りもしてくれるそうで、ほとんど手ぶらで面会できることになっています。
今までで一番ラクな病院で、家族としては助かります。
でも、今まで通り爪切りぐらいはしてあげよっと。

ここは社会福祉法人の病院で、父が居る一般病棟以外にも「医療療養病棟」「介護療養病棟」を抱えています。
同じ敷地内に他にも「老健」と「特養」、「救護施設」、「知的障害者更正施設」などを併設しているので、介護職の方が一般の病院に比べて多く、ただの病院とはわけが違い、キメ細かい気がします。

病院を出た足でタクさんの特養にお礼と報告に行きました。
父が特養にいるといないとでは、私の気分が微妙に違います。
やっぱり父は、この特養にいなきゃ!!

点滴治療が終わって、食べられるようになったら特養に戻してあげたい。
今までのようにユニット内を歩いてもらいたい。
9月の敬老の日までには戻って、例年のように「長寿を祝う会」に参加するのが目標です。
きっと、そうできると信じて!!

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