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介護日記・二人の父の雑記帳

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第35回 二人の父の近況(2006年8月21日)

最近、二人の父の近況から離れていました。
ちゃんとそれぞれの父の元にも通ってるよ!ってことで、近況報告を。

8/19(土)、タクさんの特養へ。
夕食前に爪切りをする。
前にも爪切りのことを書きましたが、この日も私の手をギュッときつく掴んで離さないのでやりにくい。

最近の父はどんな物でも掴んだら離さないって感じ。
「溺れる者は藁をも掴む」の通り、生命ギリギリの父は、無意識にも自分の命だけは守ろうと、掴んだ物は絶対離さない心境?というか状態なんだと思います。

爪切りのことは、もうわかってくれてない父だけど、「爪を整えるよ~そうそう!そのままでラクにしててね~いいよ~!」と、とにかく優しい言葉掛けで握り締めた手をそっと解きつつ爪切りしました。

食事は最近嬉しいことに進んでいます。
この日も、最初は私がちょっと味見して、味を確認してから「これ美味しいよ~いっぱい食べていいよ~どうぞ!」などと勧めると、自分で何とかスプーンですくって食べます。
少し食べ進んでから、食事に常用薬(顆粒や錠剤)を混ぜ食べてもらい、食後にはシロップも飲んでもらいます。

数年前は、普通に「あーん」して舌に乗せ、水で飲んでもらっていましたが、薬を飲み込むときにはとても苦そうな顔をしていました。
最近の父のように認知症が進むと味覚の機能も衰えているようで、食べ物に薬を混ぜても何とも感じないようです。
でも、大好きな甘い物に関しては、はっきりわかるようで、おやつのときはおいしい様子です。
甘い物って味覚の根本、最初で最後の味覚なんだと思います。

途中から食べ方に勢いがなくなって、もぐもぐの時間が長くなった頃から、今度はすくって食べさせてあげることが多なります。
最後まで自力で食べて欲しいのですが、時間がかかって疲れるせいか最後まで自力は難しい様子。
この日は所定量を超えて、お代わりのおかゆ(最初から用意してある)も食べました。

最近は、すくって食べさせてあげると時間は掛かりますが、いくらでも食べられるような感じです。
介助して食べても、食べ終えるまでに最低1時間40分位はかかります。
前にも書きましたが、その間、同じユニットの入居者さんの話相手をすることもよくあります。
何しろ、職員さんは足りないし…。

食べている最中、とても小さな声だけど「あの親父さんはどこの人だい?」と父が珍しくユニットの入居者に関心を示しました。
職員さんと思わず顔を見合わせて「Sさんて言うのよ!」とニッコリ応えました。
父がそんな反応を見せたのを目の当たりにしただけでも、今日来た甲斐がありました。

帰り際に、園長さんより「お父様、最近よく召し上がれるようになったようで、良かったですね」と。
「それまで食が進まなかったのは、やはり歯が痛かったんでしょうね?良い選択(全ての歯を抜いた)をされたと思いますよ!」と、おっしゃってくださいました。
全ての抜歯後10日ほどは抜歯以前よりも食べられなくなり、どうなるかと心配していましたが、最近は歯茎が落ち着いてよく食べるようになり、本当に良かったと思っています。

***   ***   ***   ***

一方、老健のイズさんは、最近悩み事があって大変でした。
先日会いに来て食事を一緒にした兄嫁の子供(孫)のことで、毎日悩んでいたのでした。
一人では考えがまとまらず、私に相談に乗ってほしくて老健から電話してくるのです。
兄嫁は私より10歳年下なので、イズさんは何かと私の方を頼ります。

今すぐでなくても済むことなのに「今から来てくれないか?」とか。
話を上手くまとめて話せないので、老健の公衆電話からでは話の途中ですぐ切れてしまって、すぐ掛け直してきたり。
留守電に慣れないので、怪しい息遣いの無言の留守電だったり。

本来なら私には無関係でいられる話なのですが、ここ数日はイズさんの悩みの道連れにさせられてしまいました。
が、私のアドバイス?のせいか、やっと先の見通しが出てイズさんも落ち着きを取り戻しました。

その間、今回のお盆では、どちらも日帰り圏内ですが、山梨と埼玉にあるタクさん方とイズさん方の両方のお墓参りを別々の日に何とか済ませました。
イズさんもそれを聞いて安堵していました。

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