介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第30回 イズさんを囲んでの外食(2006年8月15日)

お盆休みで、イズさんの長男のお嫁さんが息子を連れてやって来たので、老健の義父イズさんを囲んで皆で外食しました。

時々このような機会があるので、その度に感じるのは、イズさんは話したいことがたくさんあるということです。
イズさんに限らず、お年寄りは皆そうかもしれません。

私は頻繁にイズさんの老健を訪れては、主に介護というよりもイズさんの話し相手をしています。
ですから、私との会話はイズさんもある程度慣れているようですが、普段会わない人とは話したいことが山ほどあって、それが堰を切ったように出てくるので聞いている方は何が何だか…??って状態かもしません。

長男のお嫁さんに云々。その息子(イズさんの孫)に云々。
特に孫には将来のことなど、たくさんたくさん言っておきたいことがあるようです。

久しぶりの好きなお酒で、そうでなくてもちょっと「ろれつ」が回りにくいイズさん、話がわかりにくく、口の代わりに手が手話のように頻繁に動いていました。
気持ちばかりが先立って話がわかりにくいが、言わんとしていることはなんとなくわかる。
でも、わかりにくい話に聞いている方は少々うんざりしてくる。
イズさんのこういう機会での話には、いつもそういった難点があります。
結局、話したい山ほどの事柄の一部しか語れず、イズさん自身も「もっと上手く伝えられたら良いのに」と思ったかもしれません。
そこで、お節介ですが、私がイズさんの話をわかりやすく介助したりします。
(この私の文章もわかりにくいですね)

お嫁さんも孫も素直な良い人達ですが、イズさんが求める程の反応ではない…と私には思えました。
オーバーにリアクションしてあげれば、イズさんは満足したと思うのです。
イズさんは自分が言わんとしていることがどの程度伝わったか、不安だったかもしれません。
しかし、ある程度話ができた満足感もあるように見受けられました。

それにしても、イズさんは涙もろくなりました。
皆がいるとますます涙もろくなるのです。
多分、多くのお年寄りは涙もろいと思います。

「人間80歳を超えると、人生の限りが見えてくる。だから、若い将来のある人に今のうちに伝えたいことが一杯あるのよね?」と、イズさんやお嫁さんに言うと「そうなんだよ~」と、イズさんはうなずいていました。

しかし、イズさんとその息子である私の夫とは会話は一言だけ。
本来は実の親子である二人が、最も会話しなくてはならない同士なんですが…。

老健の職員さんに、「普段食べられない美味しい物を食べて来て下さいね~♪」と言われて外食に出たけれど…。
普段老健では食べられない「天ぷらうどん」は冷え切って、ぶよぶよになってから食べたイズさん。
う~む、6月に一緒に外食したときは、冷え切って、ぶよぶよのラーメンを食べたっけ(^-^;;
せっかくだから、もっといい物を食べればいいのに、これが良いんだそうで…。

◆イズさん外食時の傾向と対策◆
せっかくの外食なんだもの、今度は、先にお酒ばかり飲まないようにしましょう。
話やお酒が先になっても、まずくならない物を注文しましょう。
イズさんの話がわかってもわからなくても、オーバーなリアクションで応えましょう。

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