介護とは無縁の50代男性とお話をしていた時のこと。その彼が「年が寄ってから車いす生活になったりするのは、若い時に酒を飲みすぎるとか無茶な生活をしていたからでしょうなぁ」とおっしゃいました。
思わず「違いますよ」と言いました。もちろんなかには若い頃のツケが出ている方もいらっしゃるかも知れないけれど、多くの方は、普通に、まじめに、つつましく生活してこられたんです。そして老後は夫婦で時には旅行に行ったり、孫の面倒を見たりと、穏やかな生活が訪れるものと思っておられたんです。それがある日突然、そうではなくなったんです。
決して、ふまじめに生きてこられたから介護が必要な状態になったというわけではないですよ。自分はそうはならないと思っておられるかも知れないけど、皆さん、まさか自分や家族の身にそんなことがおこるなんて想像されてませんよ。…と、せつなさと怒りと警告とが入り混じった気持ちで力説してしまったのでした。
そういうふうな見方をされるんだ…って、ちょっと悲しかったかな。