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【第302回】球児に負けた(2010年8月16日)

出会って5年が経過するAさん。訪問時はいつもベッドの上にいらっしゃいます。私が退室する時も、ベッドの上から手を振ってくださってました。ところが4カ月ほど前から、私が帰る時にはベッドから降りて、歩いて玄関まで見送ってくださるようになったのです。5年目にして、初めて目にしたAさんの自主的な歩く姿と言っても過言ではありません。外出時は車いすですし。「Aさん、本当に手すりだけで歩けるんだ~」と思ったものです。

そして先月の訪問時は、なんとなんと、玄関から靴を履いて、エレベーターまで送ってくださいました!そして今月の訪問時。今日は玄関までかな?エレベーターかな?と思っていたら、そっけなくベッドの上から「さようなら」。Aさんの視線の先には、テレビの高校野球中継。

私、高校球児に負けました。

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