介護のコラムを読む

社会福祉士たにこが行く

戻る

【第278回】何も判らない人が(2010年6月23日)

Aさん宅訪問中の出来事。Aさんは90代。妻さんが1人で介護されてます。離れて住む子どもさん達は、妻が後妻さんということもあり、まったく協力的ではありません。

さて、今日は、Aさんは午前中にヘルパー介助で入浴でした。私は13時ごろに伺ったのですが、めまいがしたり気分が悪かったりと、調子が悪いご様子です。そして「息子を呼べ」とおっしゃいます。時々そのように言われることがあり、そのたびに妻さんは息子さんに電話をして来てもらいます。今日も私の前で息子さんに電話をされました。そのやりとりを聞いていたのですが、妻さんの怒りと失望が伝わってきました。

妻さんがAさんの状態を伝えると、日々の様子を全く知らない(知ろうとしない)息子さんが「入浴後に水分を摂らせてないからだ」とか「ポカリスエットを飲ませろ」などとおっしゃるのです。そんなことは承知しています。さらに言うなら、先日の受診でポカリスエットは膵臓の負担が大きいからとストップされています。水分だって、もちろん促してはいますがご本人さんが「いらない」とおっしゃるのです。電話を切った後、妻さんはとてもイライラされていました。当然です。

身体的なしんどさもさることながら、誰にも判ってもらえない精神的なつらさは、介護生活をより希望のないものにしますね…。

親ケア.comオンラインサービス「繋がる」
おやろぐ