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【第245回】生きている意味がない…(2010年3月15日)

Aさん(女性)から頻繁に電話がかかってきます。30分から60分はお話しを聴くことになります。Aさんは精神的な疾患がおありで、リストカットもされています。そんなAさんの電話の内容は、生きている意味がない、死にたい、誰の役にも立っていない、今の世の中は…、昔は…などなど結論がでないものばかり。もし自殺行為にでも及んだりしたら…と思うと邪険に電話をきることもできません。とは言え、電話に出れない時もあります。どうしたものか…。

Aさんが「娘のところにも電話するんだけど、忙しそうで、ちゃんと話を聴いてくれないの。洗い物の音が聞こえたりするし。」とおっしゃいます。娘さんの立場も判ります。私だって、母からの電話だったらこんなには聴いていないでしょう。波があるから、もうしばらくしたら落ち着かれるかなと思いますが、小一時間お話しを聴くのもけっこうなエネルギーが必要なんですよね…。今日は「おかげさまで、日頃は考えることのない哲学的な視点で世の中を見ることができました」と締めくくりました。明日もかかってくるかなぁ…。

それにしても「人の役に立ってる実感」って大事ですね。「助かるわ~」とか「おかあさんがいないと困るわ~」とか「教えて~」とか、決して特別なことではない日常のヒトコマが必要なんだなと思います。でも、身内にはなかなかそれが言えないんですよね…。

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