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【第154回】「なんとなく」がうまくいく(2009年7月11日)

本人とご家族から「訪問リハビリを週2回程度利用したい」というご希望がありました。
訪問リハビリは数も少ないし、空きがないことも多いので、可能な事業所を探すのに少し時間をいただきました。2日後にお返事をする約束です。その時点で既に夕方4時半。もう夕方慌ただしいし、問い合わせは明日の仕事にしようかな…とも思いましたが「なんとなく」今確認しようと思って、数箇所の事業所に電話をしました。

週2回は無理という返答だったり、担当者が不在と言う回答が多い中、一カ所だけ、OKの事業所がありました。しかも、担当の理学療法士さんは以前も別の方でお世話になったとても誠実な方です。家族、本人と相談し、調整しているうちに、トントン拍子に話が進んで、翌日の朝9時半に訪問リハビリ初回の訪問となったのです。もし、問い合わせを翌日にしていたらタイミングが合わなかったかもしれませんし、もちろん、初回の訪問も後日になっています。「なんとなく」を信じて良かったです。

逆に、とても緊急な(ように聞こえる)お電話を本人からいただいても、「なんとなく」今すぐじゃなくて数日様子を見てから関係機関に連絡をとってみようと思って、すぐには動かなかったこともあります。その時も、その数日のうちに事態が好転して、なんなく解決しました。慌てて当日に関係機関に連絡をとっていたら逆に大変なことになっていたでしょう。

最近、この「なんとなく」感じる自分の感覚を大事にするようにしています。「なぜそう判断するのかを論理的に説明できることが専門職の証し」とも思うのですが、でも「なんとなく」を信じてもいいかなと思うようにもなりました。おそらくこの「なんとなく」は単なる「当てずっぽう」ではなく、これまでの経験や蓄積から脳が無意識に検索をかけて判断しているのではないかと思うのです。なんというか、私が、もう一人の私に判断を委ねているような、そんな感覚です。もちろんすべての判断を「なんとなく」で行なうわけではありませんけれど。

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