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【第134回】救急車その2(2009年4月26日)

二人暮らしの方で、介護者である配偶者さんの入院が決まった時のこと。ヘルパーが日に何度か訪問することで乗り切ることになりましたが、ヘルパーが訪問した時に万が一の事態が起こっていたらどうするか?という議論になりました。もちろん「救急車を呼ぶ」しかないわけですが、問題は誰が同乗するか、です。本人だけというわけにはいきません。同居の家族は入院中ですし、子どもさんは遠いところに住んでおられるので連絡しても到着までに時間がかかる。

ヘルパーは救急車に同乗中は介護保険が適用されませんから、ボランティアまたは利用者さんの全額自己負担となる。またヘルパーは、次の訪問に向かわないといけないので、時間が未確定の救急車同乗は、そういう意味でも無理。となると…ケアマネ登場、ですね。「じゃあ万一の時には私に連絡ください。可能な限り駆けつけて救急車に乗ります」という結果になりました。無理な場合もありますよと念押ししながら。

ケアマネの報酬は介護度別の月単位の定額制ですから、救急車に同乗しても、別途費用はかかりません。救急車に同乗するのもケアマネジャーの仕事のうち(報酬に含まれている)、と言われれば、そうですかと受け止めます。ただ「ヘルパーが同乗すると自己負担が発生する」→「でもケアマネが同乗しても費用はかからない」→「だったらケアマネに依頼」という論理の展開の結果ならば、腑におちません。

業務の範囲について明確な線引きは難しいかも知れないけれど、でも、納得して、安心して仕事ができるようにと思います。現場で、手探りで「これ私の仕事なのかな?」と首をかしげつつさまざまな事態に対応しているケアマネジャー達が、少しでも安心できるような体制を…と思っています。

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