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【第129回】情報って難しい(2009年4月12日)

あるご家族から質問を受けました。「4月から、介護度が2段階下がるんですってね」とおっしゃいます。ん?確かに4月から認定調査や審査会の過程の見直しで軽く認定がでる可能性は懸念されているところだけど、2段階さがるとは?良く良く聞いてみると、新聞記事で読んだとのこと。わかった!その記事なら私も読みました。

その記事は、あるケアマネ(だったと思う)が、新システムで試しに自分の利用者を認定したところ、2段階軽くなった人もいた…という内容だったと思います。その記事の「2段階軽くなった」というところだけを受けとめてしまったわけですね。

その記事には疑問点がいくつかあります。
(1)ケアマネが新システムで試したというけれど、新システムのソフトなんてケアマネが自分で持っているわけないし、地道に樹形図をたどって介護度をだしたのか?
(2)何人の利用者を試して、何人が2段階さがったのか(同じだった人もいれば、上がった人もいたのでは?)。
(3)仮に一次判定で2段階さがったとしても、二次判定(介護認定審査会)で、意見書や特記事項を考慮して一次判定より重い介護度になる可能性もあることに言及していない。
…などなどです。

そんな疑問だらけの記事も、一般の人が読めば「新システムは介護度が2段階軽くなっちゃう」と受け止められちゃうわけですね。情報を、正確に、公平に、客観的に受けとめるって難しいなと思います。私自身、自分の得意でない分野については、ほんのちょっぴりの(しかも偏った)情報だけで判断していることもあるのでしょう。情報はあふれているのに、適確に良質の情報を手にすることの難しさは、以前よりも増しているような気がしています。

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