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【第79回】保育園児の憧れの「社会福祉士」になりたい (2008年11月29日)

横断歩道で止まっていたら、お散歩中の保育園児のグループを見かけました。
先生に連れられて、ピンクの帽子が似合ってかわいいです。ほほえましく見ていました。
そこへ、ゴミ収集車が通りかかりました。園児たちは「ゴミ収集車だ!」と喜んで手を振りました。
するとそのゴミ収集車は、それに対してクラクションを1つ鳴らして去っていったのです。
園児たちは大喜び。なんてイキな配慮かと嬉しくなってしまいました。
通りすがりの一瞬のひとコマでした。

そこで思い出したことがあります。娘が保育園を卒業する頃のお話です。
私は「卒園文集」の係になりました。
そこでお決まりの「大きくなったら何になりたい?」のコーナーを作成するため、ある日、教室に行って子どもたちに「将来の夢」をインタビューしました。
聞いてまわっているうちに、ある子どもが私に「おばちゃんは、大きくなったら何になりたいの?」と聞いてきたのです。
かわいいこと言うなぁと思いながら「うーん、そうねぇ…。おばちゃんは大きくなったら、立派な社会福祉士になりたい」と答えました。すると、子どもたちが「何それ~?」とおおさわぎ。

あ、そっか~。「社会福祉士」という単語を知っているのはうちの娘だけなんだと気付いた私。
保育園児に社会福祉士をどう説明しようかと一瞬頭の中をフル回転させ、「社会福祉士っていうのは、困っている人のお話を聴いて、助けるお仕事よ」と答えました。
すると今度は「それって、おまわりさんのこと?」と言うのです。なるほど。これだからコドモはおもしろい。
「うーん、おまわりさんとは違うなぁ。おまわりさんは、悪い人を捕まえるけど、社会福祉士は捕まえないね。一緒に考える人やなぁ」と答えたものの、保育園児に「社会福祉士」を判ってもらうのは難しいと思いました。

でも、そこが大事と思ったのです。
保育園児は、おまわりさんを知っている。看護師や医師という職業も判っている。
弁護士という職業の内容は判ってないかもしれないけれど、きっと職名は知っている。それだけ身近なのです。
保育園児が「社会福祉士」を知っている世の中になるということは、それだけ「社会福祉士」が身近であり、生活に浸透しているということ。
それが究極の私のめざすところだなぁと思ったのです。
保育園児とまではいかなくても、せめて中学生や』高校生が、将来「社会福祉士になりたい」と具体的にイメージが描けるようにしたいです。
保育園児がゴミ収集車に会って喜んで手を振る姿を見て、いつの日か保育園児が「おばちゃん、社会福祉士?かっこいい!」なんて瞳をキラキラさせて言ってくれる日が来たら嬉しいなぁと、当時のことを思い出しつつ考えたのでした。

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