介護のコラムを読む

社会福祉士たにこが行く

戻る

【第21回】信じられない!別人を紹介!?靴を間違って履いている!? (2008年6月16日

近くのK病院に入院中の方の訪問調査に行きました。介護保険更新のための調査です。
住民票は他市にある方で、その住民票のある市から調査の委託を受けたのです。
(私は「調査」という言葉は好きではありませんが、今日はそのまま「調査」という言葉をつかって書きます)

事前に約束していた時間に病院に行き、詰所で「Bさんの認定調査に来た」と伝えました。
看護師さんが病室に案内してくれました。6人部屋でした。右側の窓際のベッドと真ん中のベッドの間に、車イスに乗った方がおられました。看護師さんは、その方を指し「Bさんです」と教えてくれました。
真ん中のベッドがBさんのベッドでした。
看護師さんは退室し、私は認定調査を始めようとBさんの前に座り、あいさつをしました。
ふとBさんの足元を見ると上靴に「A」と、Bさんとは違う名前が書かれています。
あたりを見回すと窓際のベッドの患者さんの名前が「Aさん」のようです。
ということは、私が調査の依頼を受けているBさんとは別人です。

さっき退室した看護師さんを探し、廊下で呼び止め「あの方はBさんではないようですが」と伝えました。
「いえBさんですよ」と返答。「でも上靴に別の方のお名前が書いてあるので…」と私は答えました。
看護師さんと一緒にもう一度病室に行き、靴を見てもらいました。
そこに書かれている名前を見て「あら、隣の人の靴を履いてるわ」と看護師さんが言いました。
そして、間違いなくその人はBさんであるというのです。
そうかなあ…と思っているところへ、たまたま別の看護師さんが部屋に入ってこられました。
先ほどの看護師さんが「この人Bさんよね?」とその看護師さんに聞きました。
答えは「いいえ、Bさんは廊下でテレビを見ておられますよ」でした。

やっぱり別人だったのです。
信じられない!顔と名前が一致しないことは、たくさんの患者さんですし、ありえるかもしれないと譲歩したとして、でも、不確実なまま案内し、私の指摘に対し、「隣の人の靴を間違って履いている」って断言するなんて!
もし、別の看護師さんが入ってこなければ、私は腑に落ちないながらも別人を調査していたかも知れません。
そこは認知症のフロアなので、靴の間違いとか自分の名前を言えないとかも有り得るので、私が別人と気付かず認定調査を終えてしまう可能性はあるのです。
しかも私に別人を案内した看護師さんは「師長」だと言うのです。ますます信じられない!
きっと、投薬や手術の時はきちんと本人であることを確認していますとおっしゃるだろうけれど、でも日頃の小さな出来事が、すべてを象徴しているように思ってしまいます。
あー、本当に信じられない!これは病院に伝えたほうがいいかなー。

親ケア.comオンラインサービス「繋がる」
おやろぐ