「社会福祉士たにこが行く」第1回〜

【第18回】夫婦でもなかなか体験できない喜びの分かち合い

一人暮らしの方のお宅を訪問しました。
さっき電話で時間を伝えたし、ヘルパーさんの来る日だから、お留守ではないはずなのですが、呼び鈴を押しても応答がありません。
しばらく待ちましたがお返事がないので、玄関ノブをまわしました。
カギはかかっていませんでしたので、玄関の中に少し入り、お名前を呼びました。
すると「お腹が痛い…」という苦しそうな声がします。
驚いて、玄関から、どうされたのかと声をかけると、今トイレにいるとのこと。
もしや救急車を呼んだほうがいいのかとも思いましたが、どうやら3日間ほどお通じがなく、便さえでれば大丈夫な様子。
受け答えもしっかりされているので、様子を見ようと思いました。

さて、私はこのまま玄関から声を掛けていて良いものか、トイレまで行くべきか悩みました。
いくらなんでもトイレで頑張っている姿があらわなところへ、第三者の私が登場したら気分を悪くされるかもしれません。
かといって、苦しそうなのがわかっていながら玄関で待つというのも落ち着きません。
そうこう逡巡していると「背中さすって~」と聞こえました。
「トイレまで入っていいですか?」とお聞きすると「頼む」とのこと。
トイレに行くと、なんと上半身ハダカです。
汗をかいたから脱いだそうです。
苦しそうに前かがみになってらっしゃる背中を、上から下へとさすりました。
かれこれ10分ほどたった頃、大きな音とともに3日間の成果物がニオイ付きで姿を現しました。

ご本人は「あ~でたでた。スッキリした」と晴れ晴れした表情です。
良かった良かったと、2人で喜びを分かち合いました。
「いい時に来てくれた。助かった。ありがとう」とも言われました。
大ごとではなくて良かった…と安心するとともに、夫婦でもこういう場面のわかちあいは経験したことないな~不思議なご縁だな~とつくづく感じました。
おかげさまで絆は深まりました…と言いたいところですが、認知症のこの方は、最近の出来事は忘れてしまわれるので、きっとこの私との分かち合いも記憶にはとどまらないことでしょう。
私は忘れられませんけど。

【第19回】「決める」って難しい(2008年6月13日)については、こちらへ。

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