「社会福祉士たにこが行く」第1回〜

【第16回】外泊と退院と報酬(2008年6月7日)

入院中のターミナルの方にお会いしてきました。ご病状はかなり悪いのですが、一度家に帰りたいというご本人の思いと、家に連れて帰ってあげたいという家族の気持ちが強く、一度外泊し、その様子をふまえて、可能であれば退院という流れになりました。
外泊・退院に向けて、さまざまなサービスの調整が必要です。
ケアマネジャーとしてその調整の話し合いをしてきたのです。

ご本人、家族、MSW、看護師、各サービス事業者との話し合いで、なんとか外泊の段取りは整いました。
退院後のことはとにかく外泊が終わってからの相談となります。
私は、外泊後、一日でもいいから退院して家で過ごしていただきたいと願っています。
それは、ご本人や家族の思いを実現するために…というのもありますが、それよりも、退院していただかないと私が「無報酬」となるからというのが正直なところです。
ご本人や家族からすれば、自分のケアマネがそんなことを考えているなんて、許しがたいかもしれません。

ケアマネの報酬は、対象の方が介護保険の在宅サービスを使う(つまりケアプランが発生する)
ことで報酬が算定されます。
今回のような場合、「外泊」はあくまでも「入院中」なので医療保険の算定となり介護保険は使えません。
もし「退院」しなければ、介護保険の在宅サービスを利用してませんのでケアプランは発生せず、私の今回の動き(電話での相談、事業者との調整、病院でのカンファレンス)は無報酬となります。
今回のような場合だけでなく、相談には伺ったものの、申請だけとか用具購入だけとかといった場合もケアプランが発生しないので報酬は算定されません。
誰にでもできる相談ではないと思うのですが、全く誰からもどこからも評価されないのです。

サービスにつながらない相談に報酬が発生したら、きっと不正も横行して、何をもって「正当な相談」とするかは難しいところだと思います。
でも、そこをクリアしないと、「相談」の専門性は認知されないのでは…と思いますし、専門職のモチベーションにも影響します。
もちろんすべてにおいて報酬を求めているわけではないのです。
どの業界でも社会貢献的な部分はありますから。
私もボランタリーな部分ももちろん想定しています。
ただ、ケアプランの発生の有無だけで判断されていることに矛盾を感じているのです。
私に報酬が発生するか否かではなく、純粋にご本人や家族のために退院を願うことができるソーシャルワーク環境を作っていきたいです。

【第17回】再び「報酬」のお話(2008年6月9日)については、こちらへ。

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