介護のコラムを読む

社会福祉士たにこが行く

戻る

【第14回】何かあったら連絡?(2008年5月30日)

3ヶ月ほど前から、ある精神的な疾患をお持ちの方のケアプランを担当しています。
ケアプランといっても、歩行器のレンタルたけで介護保険だけをみるとシンプルなものです。
でも生活全体をみると、もちろん介護保険だけでは解決できない問題があります。
夜に外出先から戻れなくなったり、大声をだしたり、時には暴れたりということがあったようです。
薬のせいかも知れませんが、食欲がなく、何もやる気がおきないというのもつらいことの一つです。

これらのことは介護保険だけで解決できるものではないので、行政の精神障害担当の保健師さんに連絡をとり、一緒に訪問してもらいました。
もちろん1回の訪問で具体的な解決方法が見つかるとも思っていません。
精神のことについては私よりも詳しくいろんなことをご存知だと思うので、これから一緒に考えていけたらと思ったのです。

しかし、1時間程度の訪問が終わって帰り道、保健師さんが私におっしゃった言葉は「また何かあったらご連絡くださいね」でした。
「具体的に何も良い方法はご提案できませんでしたけど」ともおっしゃいました。
それはいいんです。1回で解決方法が見つかるとは思ってなかったのですから。
だけど「また何かあったらご連絡ください」ということは、何かがあるまで関わらないということでしょうか?
何かがあったら大変だから、そうならないように、皆で考えて関わっていきたかったのだけれど、保健師さんとしては今日の訪問でいったん完了ですか?

この方の場合、介護保険の関わりよりも、精神面でのサポートが必要な方だと思います。
もちろん介護保険のケアマネは総合的に関わりますが、どちらかというと精神担当の保健師さんに、ある程度の部分を担って関わっていただきたかったのです。
でも、保健師さんに「担う」姿勢はないようです。
精神に限らず、生活保護でも他の制度でも、行政の相談員やワーカーには「ケアマネがついていたらOK」といった雰囲気があるように思います。
とにかく「ケアマネがいればおまかせ」のようで、「自分が動かなければ」といった姿勢が感じられないのは残念です。
この方については、引き続き「何もなくても」保健師さんに連絡をとり、関わっていただこうと思っています。

親ケア.comオンラインサービス「繋がる」
おやろぐ