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【第9回】生活保護だった!?の続き(2008年5月17日)

2年前にケアプランを担当していた方が、当時から生活保護を受給されていたということが今になって判明。
自己負担1割分は生活保護の介護扶助が適用されるのに、ご自身で支払ってこられました。
ご本人はまだそのことをご存知ありません。
この方に制度を説明し、1割分を返金する必要があります。
担当のケアマネでありながら生活保護を受給されていることに気付かなかった私にも反省すべき点はありますが、同様に、責任があると思われる人々がいます。
(1)今の予防プランを担当している包括のAケアマネ
(2)当時の生活保護のBワーカー
(3)現在の生活保護のCワーカー
です。

私はこの中のどなかたと一緒に訪問し、説明とおわびをしたいと思いました。
なぜなら、ご本人は直接私に「自分は生活保護」と一言もおっしゃっておらず、私は周辺からその情報を聞きました。
究極の個人情報でもあるし、生活保護受給者であることを知らないはずの私がダイレクトに連絡をとるのではなく、生活保護法の介護扶助の説明をしていただいた上で、当時のケアマネとしてご説明したかったのです。
そのあたりの連絡を上記3人にしたところ
(1)Aケアマネは「私は利用票を生活保護のワーカーに送っていたのでからワーカーのミス。
自分はこの件で、本人に説明したり訪問するつもりはない」
(いやいや、でも、予防プラン担当されて1年たってますよ?
その間、ヘルパー事業所からは1割負担の実績が報告されてたでしょ?1年間気付かなかったのでしょ?)
(2)Bワーカーは「当時の介護券を発行するところまではやろうと思ってますけど、この件で、本人に電話したり訪問するつもりはない」
(いやいや、ご本人はまだこのことをご存知ないんですよ?誰が説明するんですか?
生活保護法の介護扶助の制度ですよ?
お金に関することは生活保護のワーカーに相談しないといけないんでしょ?
担当されている間、介護保険サービスをご利用になっていることに気づきませんでした?)
(3)Cワーカーは「特にこの件で本人に電話するつもりもないし、訪問するつもりもないですけど…。
訪問は8月ごろの予定です」
(いやいや、で、この制度の説明は8月になさるつもりですか?遅いでしょ?
本人から生活保護だということを聞いていない私がいきなり電話して「当時から生活保護だったんですね」と説明するのはおかしくないですか?)

なんだか皆さん他人事みたい。
結局Cワーカーにお願いして、ご本人に電話で説明をしていただき、その後、私から再度お電話してから、サービス事業者と訪問し、説明、おわび、返金することになりました。
生活保護でおられることに気付かなかった私にも反省点があります。
今後このようなことがおこらないようにするためにも、なぜ3年間誰も気付かなかったのか、どこに問題があったのか、これからどうすれば防げるのかを皆で検討したかったのですが(責任の押し付け合いではなく)、そんな風向きではなく、残念な思いが残っています。
私自身の反省点は、今後にいかしていきたいと思っています。

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