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【第3回】家族が入院した場合のポイント(「病院でやるべきこと」編)

入院先の病院によっては、退院に向けての支援を行う部署があります。病院により名称はさまざまですが、退院相談室、退院調整継続看護室、地域医療連携室や社会福祉事業課などと呼ばれ、医療ソーシャルワーカーや看護師などが専任で活動しています。

そのような退院援助に力を入れている病院については、入院した早い段階で、退院時に必要な在宅介護サービスの調整や施設申請の時期などを判断しご家族に働きかけてくれます。しかし、逆にご家族からの働きかけがあって初めて相談に応じる病院もありますので、頼りきらずに主体的に動くことをお勧めします。まずは、すみやかに身近にいる担当の看護師や看護師長にご相談ください。

入院初期

現在では入院後すみやかに、治療期間の目安=退院時期を提示する病院が多くなっています。入院時の疾患状態から治療内容とそれにともなう入院期間を予測し、目標をもって治療に取り組むからです。入院後ご家族が最初に確認すべきことは、主治医が考えている(1)予定の入院期間、(2)退院時点の回復状態です。

(2)については、具体的にどのくらいまで回復する可能性があるのか、逆にどのような後遺症が残る可能性があるのか、それによりどのようなサービスが必要になってくるのかなど、ご自分がイメージできるまで説明を受けてください。これは、現実に目を向け、次に何をやらなければならないのかを判断するのに有効です。

入院中期

●入院前介護保険サービスを活用していた方
入院前に担当してもらっていたケアマネジャーに現在の状態を連絡しておきましょう。同時に病院の看護師や医療ソーシャルワーカー名も伝えておくことで、質問内容によっては直接やりとりしてもらうのも有効です。入院前より状態が悪くなっている場合は、再認定を受ける準備などが必要になってきますので、担当のケアマネジャーにご相談ください。

●介護認定を受けていない方
このままでは介護サービスが利用できないため、早々に介護認定を受ける必要があります。申請から認定調査に来られ、介護認定が下りるまでに通常1カ月ほどの期間が必要になってきます。入院期間によっては、認定結果が下りる前の退院となるため暫定でのサービス利用が開始されますが、いったん費用の全額を支払うことになります。

どちらになっても、今後介護サービス計画を作成してもらう居宅介護支援事業所もしくは包括支援センターを決めていく必要があります。病院や役所へ相談し、近隣の居宅介護支援事業所などの情報をもとに選択されると良いでしょう。担当者が決まれば、すみやかに今までの情報を伝え介護サービス導入の調整を行ってもらってください。

施設希望の場合は、施設情報を得ることから始まります。病院、役所や無料の紹介センターなどに相談するだけでなく、ご自分たちでもインターネットを活用するなどして調べ、直接見学に行かれることをお勧めします。

退院前

医師より退院後の生活に向けての注意点、リハビリが必要な場合などを含め具体的な内容の説明を受けてください。またご本人を含めた面談を設定し、退院後の回復意欲の継続をはかるなど、気持ちの整理をしていくことも重要です。

注)医師によっては、入院直後と退院前の説明を基本にされている場合があります。しかし、患者の回復スピードによっては退院時の回復レベルも変化してくるため、入院中期の段階においての経過説明を希望するなど、ご家族側から積極的に働きかけてください。

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